池田陵真に訪れた“転機” 逆転の発想で試行錯誤…舞洲で残った手応え「びっくりしました」

オリックス・池田陵真【写真:小林靖】
オリックス・池田陵真【写真:小林靖】

4年目の池田が目指す終盤での1軍復帰

 オリックスの4年目、池田陵真外野手が体重移動のフォーム変更で打撃向上を図っている。池田は、2022年ドラフト5位で大阪桐蔭高からオリックスに入団。右方向への巧打が特徴の打者で、2023年にはウエスタン・リーグで首位打者と最高出塁率の2冠に輝いた。

 今季、下半身のコンディション不良で4月中旬から5月末まで戦列を離れた。復帰後は6月1日のソフトバンク戦(徳島)で本塁打を放つなど好調だったが、「疲れも出て」と池田が振り返るように、29打席連続で安打から見放された時期もあった。

 悩む池田に転機が訪れたのは、6月下旬に石川、富山両県で行われた独立リーグとの試合だった。「去年から結構悩んでいたことがあったのですが、遠征試合で試行錯誤をしていたらいい感覚が出てきたんです」。変えたのは「重心の位置」。体の正面の前後の体重のかけ方を見直し「大きい意味で(体の)姿勢ですね」と池田は明かす。

「直そうとしているところを意識すると、(修正を)できないものなんです。例えば、体の開きを抑えようと左肩を止めようとしても直らないのですが、右肩を出さないように考えると(体の開きが)止まったりするんです。そこじゃないところを意識したら、案外できるようになるんです。原因は違うところにあるんじゃないかと考えて、別のところを直したら変わったんです」と、逆転の発想が功を奏したようだ。

 遠征から帰阪直後、舞洲で行われた2試合でソロと3ランを含む6打数5安打5打点。埋立地特有の風で本塁打が出にくいとされる舞洲での2発に「舞洲で、ですよ。びっくりしました」と振り返った。今季はまだ1軍出場はないが、終盤の大事な試合でチームに貢献したいと願っている。

〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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