時には先発、時には遊撃…西村が二刀流で侍U12牽引 仁志監督「野球勘がいい」

パキスタン戦で適時打を放った西村大和【写真:Getty Images】
パキスタン戦で適時打を放った西村大和【写真:Getty Images】

パキスタン戦では同点打、重要な試合では先発マウンド

 台湾・台北で開催されている「第10回 BFA U12アジア選手権」は18日、セミファイナル2戦目が行われた。予選グループA2位の日本は、同グループB2位のパキスタンに16-1の4回コールド勝ち。大会最終日の19日は3位決定戦で再びパキスタンと対戦する。

 1回表に1点を失い、0-1でその裏の攻撃に入った日本。1死から2番・専徒大和が相手遊撃手の失策で出塁すると、3番・ショートの西村大和は「ランナーを返そう」と決意を固めて打席へ。2球目にバットを振り抜くと、打球は右中間への適時二塁打となり、同点に追いついた。「点を返せてよかったし、ホッとしました」。その後、相手投手の暴投で勝ち越しのホームも踏んだ。2回にも適時打を放ち、3回には遊ゴロの間に1点を追加と、攻撃で貢献した。

 今大会では予選ラウンド初戦のチャイニーズ・タイペイ戦、セミファイナル初戦の韓国戦と、相手に力がある重要なゲームで先発マウンドを任されてきた。投げない時はショートを守るなど、チームの中心だ。仁志敏久監督は「野球に対する勘がいい」と評価する。

「打つことも、投げることも、守ることも、ある程度のレベル以上のことは必ずできる子。まだ体が細くて力がない分、見た感じで凄いなとか、いわゆる見栄えがないかもしれないですけど、これから筋力がついて体も大人になってくればもっと良くなると思います」

 普段は、大阪体育大時代に学生監督を務めた経験がある父・憲二さんが2013年に立ち上げた西脇ワイルドキッズでプレーする。打つことに関して、現地で応援する憲二さんは「3才くらいから、ボールをバットで打たせると、まるでテニスラケットを使っているかのように打ち返していた」と振り返る。父のアドバイスを受けながら、3つ違いの兄・塁を捕手に投球練習を繰り返し、制球のいい、伸びのある直球も磨かれた。

 3位決定戦に向け、「3位が懸かっているので集中して勝ちたいと思います。ピッチャーをする機会があればゼロ点に抑えて、打つ時はチャンスでの1本を大事にしたいと思います」と西村。和風好きの父が付けた名前の通り、ラストゲームも「大和魂」でU-12代表を牽引する。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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