山本由伸の“自然体”を引き出した4分半 届いたムービーに「最高!」…異国でも古巣との絆

山本由伸の誕生日に届いた古巣からの特別ムービー
【MLB】ドジャース 8ー4 レッズ(日本時間2日・ロサンゼルス)
改めて“自然体”を思い出す出来事が待っていた。ドジャースの山本由伸投手が1日(日本時間2日)、レッズとのワイルドカードシリーズ第2戦に先発登板し、7回途中4安打2失点(自責0)の好投でワイルドカードシリーズ突破を決めた。チームは4日(同5日)から始まる、フィリーズとのディビジョンシリーズ(地区シリーズ)に進んだ。
1点リードの6回無死満塁。27歳になった剛腕が真骨頂を見せた。ヘイズを遊ゴロに仕留めると、捕手のロートベットに向かって両手を広げて“落ち着いて”のサインを送った。大歓声のスタジアムの中でも「とにかく落ち着いてプレーすること」と心掛ける。
「落ち着いてプレーすることで自分の実力を発揮できると思いますし、こういった舞台でたくさんの歓声を頂いて、自分の実力以上の力が出せるかなと思う。とにかく目の前の試合に集中していく。その連続なのかなと思います」
あどけない笑みは、海を渡っても全く変わらない。今年8月17日。山本の携帯に、およそ4分30秒の動画が届いた。「よっしーさん、お誕生日おめでとうございます」。先頭で登場したのは、オリックス・宮城大弥投手だった。
続けて同学年の小木田敦也投手、宇田川優希投手の2人が登場。右肘を手術した2人は、リハビリ生活の現状を語った。その後は曽谷龍平投手、宗佑磨内野手、山崎颯一郎投手が順番に登場。ノースリーブ姿で登場した“ラオウ”こと杉本裕太郎外野手は「由伸、誕生日おめでとう! またメシ行こうな。奢ったるわ!(笑)」とシーズンオフの日程を“予約”していた。
さらには太田椋内野手、西野真弘内野手、渡部遼人外野手、そして球団OBのT-岡田氏が登場。古巣から愛情たっぷりの特別ムービーが届いた山本は「最高!」とにこやかな表情を見せていた。
バースデーを終えた山本は9月、4試合に先発して1勝0敗で防御率0.67。27回を投げて34奪三振、11四球、被安打7の内容で、防御率と被打率.081、WHIP0.67はメジャートップの成績。今季2度目の月間MVPに輝いた。
自身2度目のMLBポストシーズンには「とにかく落ち着いて準備ができている。ポストシーズンがどういうものなのか(昨年に)経験できたので。自信にもなりますし、とにかくチームが勝つために、全力でプレーしたいと思います」と冷静沈着にマウンドに立ち続ける。
(真柴健 / Ken Mashiba)