日本ハム相手に“6/8”の脅威 鷹・モイネロが見せた無双投球…CSファイナルの相性は

ソフトバンク・小久保裕紀監督(左)と日本ハム・新庄剛志監督【写真:矢口亨、古川剛伊】 
ソフトバンク・小久保裕紀監督(左)と日本ハム・新庄剛志監督【写真:矢口亨、古川剛伊】 

モイネロはHQSを6度達成&対戦防御率1点台

 15日に「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルステージ」がみずほPayPayドームで開幕する。今年も「SMBC日本シリーズ2025」出場をかけ、リーグチャンピオンのソフトバンクと2位の日本ハムが短期決戦に臨む。

 レギュラーシーズンの対戦成績は13勝12敗でソフトバンクの勝ち越し。みずほPayPayドームではソフトバンクが7勝、日本ハムが5勝だった。

 それでは選手個人の対戦成績はどうだろうか。まずはソフトバンクの選手の対日本ハム戦成績を見てみる。

 最優秀防御率賞のリバン・モイネロ投手は今季24登板のうち、日本ハム戦に8登板した。HQS(7回以上・自責点2以内)を6度達成しており、得意な相手といっていいだろう。

 最多勝の有原航平投手は7月1日に11奪三振完封勝利するなど、QSを3度達成。大関友久投手も3登板でQS2度と好投している。松本晴投手は7月3日の試合で7回1失点(自責点0)、14三振を奪う快投を披露するなど、日本ハム相手に2勝0敗だった。

杉山一樹&藤井皓哉はイニング数<奪三振数

 中継ぎ陣も好成績が並ぶ。最優秀中継ぎ投手賞に輝いた松本裕樹投手は、日本ハム戦11試合に登板し、1点も許さなかった。藤井皓哉投手とセーブ王の杉山一樹投手も、イニング数をゆうに超える三振を奪っている。

 首位打者の牧原大成内野手は対戦打率.270。夏以降に調子を上げてきた牧原大は、日本ハム戦においても8月・9月の9試合で複数安打を5度記録した。対戦打率.260の周東佑京内野手は6盗塁を成功させている。山川穂高内野手は9本塁打の対ロッテ戦に次ぐ、8本塁打を日本ハム戦で放った。

 今季ブレイクした面々では野村勇内野手が打率.283と上々の数字。プロ10年目の川瀬晃内野手は、5月20日に伊藤大海投手からプロ初本塁打となる勝ち越しアーチを打っている。しかし、牧原大と首位打者を争った柳町達外野手は、意外にも日本ハム戦で打率.187と苦戦していた。

 近藤健介外野手が負傷により、ファイナルステージの欠場が見込まれている。それでも、レギュラーシーズンも離脱した選手の穴を埋めながら、勝ち上がってきたソフトバンク。パーソル CS パでも各選手の持ち味発揮に期待しよう。

伊藤大海はモイネロと6度投げ合う

 最多賞の伊藤大海投手は今季、モイネロと6度投げ合うなど7試合に先発し、3勝3敗だった。4月29日に9回1失点に抑え込むなど、みずほPayPayドームでは3試合2勝1敗、防御率1.50の好成績だった。対戦防御率2.18の北山亘基投手はソフトバンク相手に4度QS達成。

 加藤貴之投手は3試合いずれも、みずほPayPayドームでの登板。5月28日は5回2/3無失点と試合をつくった。7月2日は8回1/3を2失点も黒星。1-0の9回に2失点し、完封目前で逆転サヨナラ負けを喫してしまった。直近の対戦となった8月9日は3回1/3を4失点で敗戦投手に。ファイナルステージでも打線の援護を信じ、粘り強く投げられるか。

 古林睿煬投手はNPBでの初勝利をソフトバンクから挙げた。来日2度目の登板となった5月1日の試合で、7回10奪三振2失点の好投をみずほPayPayドームのマウンドで披露している。

 8回1/3で10奪三振の上原健太投手をはじめ、田中正義投手と齋藤友貴哉投手が防御率0.00を記録。ファイナルステージでも1点を争う展開になったときに頼もしい存在だ。

 また、ルーキーの柴田獅子投手はプロ2度目の登板が8月23日、ソフトバンク戦だった。3点リードの6回から2番手で登板。併殺を奪い3人で1イニング目を終えると、続く回は3者凡退。3イニング目となった8回に2死から3連打でプロ初失点した。それでも2回2/3を37球4安打1失点。二刀流にチャレンジするドラフト1位プレーヤーの可能性を感じさせた。

ルーキーが王者相手に奮闘

 ルーキーながらリーグ王者相手に、対戦打率.276と奮闘した山縣秀内野手。特に9月9日の試合では、ここまでチームが打ち崩せずにいたモイネロから、2打席連続アーチを放ってみせた。

 みずほPayPayドームでの成績を見ると、田宮裕涼捕手が打率.313(16打数5安打)、1本塁打。伏見寅威捕手も打率.308(13打数4安打)だった。今季ソフトバンク戦で4本塁打の万波中正外野手は、うち2本を敵地で打っている。

 昨季までソフトバンクに所属した吉田賢吾捕手は、シーズン序盤に古巣からプロ初アーチを打った。また、今川優馬外野手も9月9日に3安打3打点の活躍でモイネロの攻略に貢献した。

 気がかりな点があるとすれば、本塁打王のフランミル・レイエス外野手がソフトバンク戦では3本塁打にとどまったこと。みずほPayPayドームでも打率.088、0本塁打と仕事をさせてもらえなかった。ファイナルステージは敵地での開催だが、相性の悪さを吹き飛ばすようなバッティングを見せられるか。

(「パ・リーグ インサイト」菊地綾子)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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