最多勝左腕が痛感した王者の「盤石さ」 警戒していた三盗許しV打献上「意表突かれた」

DeNA・東克樹【写真:古川剛伊】
DeNA・東克樹【写真:古川剛伊】

先発した東は5回まで2安打無失点投球が一転、6回に4安打で2点を失った

■阪神 2ー0 DeNA(15日・甲子園)

 DeNAは15日、甲子園で行われた阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦に0-2で敗れ、アドバンテージを含めた対戦成績は0勝2敗となった。先発した東克樹投手は6回に2点を奪われ敗戦投手に。痛恨だったのは、近本光司外野手に決められた三盗だった。

「どれだけピンチをつくっても点を取られないか、ワンチャンスで点を取られるか、それだけの差だったかなと思います」。東は試合後、淡々と振り返った。最多勝を分け合った両先発は、ともに5回まで無失点ながら内容は対照的だった。毎回走者を出して103球を要した村上。一方で東はわずか2安打で60球で投げ終えた。

 しかし東は6回、先頭の近本の三遊間へのゴロが内野安打となり出塁を許すと、中野に初球犠打を決められた。1死二塁から森下への初球、完璧なスタートを切った近本が三塁を陥れ、森下の中前打で先制のホームを踏んだ。結果的には、この“隙”が勝敗を分けたプレーとなった。

 バッテリーとして警戒していた中で決められた三盗。東は「意識はありましたけど初球からしてくるとは思っていなかったので、そこは意表を突かれたかなと思います」、山本は「警戒してそういうジェスチャーを送り合っていましたし、その中でいいスタートを切られた」と脱帽した。

 これがシーズンで13ゲーム差をつけられ独走Vを許した阪神の強さ。東も「ワンチャンスをものにする力とリリーフ陣の盤石さ、それはリーグ優勝しているだけの力はすごく感じました」と口にする。そのうえで「ハードヒットというのは打たれていない。でも初回からなかなか点を取れない中で、本当に先に点をやってしまったことが敗因かなと思いますね」とエースらしく受け止めた。

 重要視していた初戦を落としたことは痛いが、まだ終わったわけではない。山本が「隙を僕らも探しながらやっていきたい」と話したように、糸口を探して反撃に出る。

(町田利衣 / Rie Machida)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY