「おはようを覚えたのに」誰も使わず 助っ人が困惑した日本文化…忘れぬ思い出

マキノン氏が語る“日本語”「『ひき肉です!』が大好き
2023年に西武でプレーしたデビッド・マキノン氏は現在、ポッドキャスト番組「Pacific Swings (パシフィック・スイングス)」を立ち上げ、日本のファンに向けて発信している。X(旧ツイッター)でも度々日本語投稿を行なっているが、現役時代も積極的に勉強したという。
「(語学アプリの)Duolingoはやっていました。でも、実際に人と話して勉強する必要があります。難しいですよ。アルファベットを使わないので、日本語はとても難しい言語だと感じます」
独学で学んだが苦戦したのが“文字”。ひらがな、カタカナ、漢字を使う日本語を読むのは至難の業だった。「少なくともスペイン語だったら、文字は同じですからね」。それでも、1年間で覚えた単語は多かった。注文することもできるように。「マックに行ったら『セット』という単語を使いますよね。ハハハ。ヤキニクでは『ロース』『ハラミ』『カルビ』……」。
他にも意外なワードが出てきた。「『ひき肉です!』が大好きでした」。当時流行していたYouTuber「ちょんまげ小僧」の自己紹介フレーズを源田壮亮内野手が気に入っていたからだという。「彼はいつもそのジョークを言っていましたよ! コメディアンのネタです! 彼らは大好きでしたね」と笑う。
また、唯一納得がいかないことも。「『おはよう』『おはようございます』を覚えたのですが、誰も使っていないことでした。全員が『おっす!』と言っていたことです。『彼らは何を言ってんだよ!』って、思いましたね」。楽しんで勉強した経験は今にも生きている。
昨今では日本人も多くがメジャーを目指している。「一度に多くのことは出来ません。最高の野球選手になろうと思えば、野球に集中すべきです。でも、(外国語を)早めに勉強し始めれば……」と本音も。「通訳を信頼して、着いたら一生懸命覚えようとすることがいいと思います」とエールを語った。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)