パドレス元監督に殺害予告「眠れていなかった」 明かした苦悩…“電撃辞任”の舞台裏

米メディアに明かした「正直もう疲れた」
電撃辞任の背景に何があったのか。今季限りで辞任したパドレスのマイク・シルト監督について、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」が、その決断に至った苦悩を伝えている。チームを2年連続で90勝以上、ポストシーズン進出と結果を残してきたが、監督業の重圧が体に異変をきたしていたことを本人が明かしている。
シルト監督は、カブスに敗れたワイルドカードシリーズ後の13日(同14日)に辞任が発表された。2024年からパドレスを指揮し、昨季は93勝69敗、今季は90勝72敗で、いずれもドジャースには及ばなかったがリーグ西地区2位に入っていた。業界内では辞任の背景に球団内部の対立が影響したとする憶測もあった。
ただ、パドレス番のデニス・リン記者が14日(日本時間15日)に公開した記事では、深刻な健康問題とストレスがあったことが明かされた。カブスに敗れた後、AJ・プレラーGMに休養を申し出ており、その間に家族と過ごす中で辞任を決断したという。
記事中で、シルト監督は「正直もう疲れた。ただ家に帰りたいだけだよ。すごく穏やかな気持ちでいるんだ」と語っており、完全に現場から離れるつもりであることを明かしている。今後はノースカロライナのビーチハウスで過ごす予定で、将来的な復帰の可能性についても「今すぐあの座に戻りたいという気持ちはない」と語った。
退任を考え始めたのは8月下旬だった。睡眠不足、胸の痛み、脱毛など体調不良に加え、近年スポーツ賭博が拡大することで、見知らぬ人物からの殺害予告まで届いていたという。「眠れていなかった。誰のせいでもなく、日々のストレスの積み重ね。不健康な状態だった」と明かし、自らをケアする必要性を痛感したことが辞任の理由だった。
シルト監督はメジャーで通算6年間指揮を執り、通算435勝340敗。5度のポストシーズン進出を果たしたが、ワールドシリーズには届かなかった。ドジャースとの熱戦で日本のファンにも馴染みが深い球団は、新監督の下で来季を戦うことになる。
(Full-Count編集部)