大谷翔平を“出入り禁止”に 敵地を揺るがす移籍騒動から2年「嫌いとかではなく」

Bジェイズ移籍騒動後、ホッケー殿堂博物館の小売店が大谷を出禁リストに
ドジャース・大谷翔平投手を出入り禁止にした敵地の“有名スポット”はどうなったのか――。ブルージェイズとのワールドシリーズ開幕2日前。カナダ・トロント市内にあるホッケー殿堂博物館に騒動の真相を聞いた。
気温9度。敵地・トロントは分厚い雲で覆われ、今にも雨が降り出しそうだった。ヒヤリと冷たい空気が流れる中、ホッケー殿堂博物館へ。恐る恐る博物館スタッフに聞いてみた。
「ショウヘイ・オオタニは出入り禁止だと聞いたんだけど」
だが、最初に聞いたスタッフは何の事か分かっておらず、周囲のスタッフに確認。どうやら大谷を出禁にしたのは博物館内でホッケーのグッズを販売する小売店「スピリット・オブ・ホッケー」だったようだ。博物館から小売店へ移動して、出禁にした写真を見せながらスタッフに確認。すると、吹き出すように笑われた。
「あぁアレね。(出禁リストに)写真を貼っていたんだけど、もう撤去したんだ。というか冗談だったんだよ」
大谷にとってブルージェイズは因縁のチームだ。2023年オフ、フリーエージェント(FA)となった際に最終候補としただけでなく、著名な米記者が「ショウヘイ・オオタニがトロント行きの飛行機に乗った」と誤報。フライトレコーダーによる追跡騒動も起きた。まもなく「ブルージェイズ・大谷」が誕生する――。大きな期待を抱かせた分、トロントの失望は大きかった。

「ショウヘイが嫌いとかではなくてね。ただ、当時は彼がここに来て欲しかったのに来なかったから、みんなちょっとガッカリしてて。それで冗談で(出禁リストに)写真を貼ったんだ」
オオタニは入ることはできません――。大谷がドジャース移籍後に初めてブルージェイズ戦に出場した昨年4月に大きなニュースとなったが、この小売店が“出禁”にしたのは1か月ほどだったようだ。
「ドジャースと契約して、すぐ後だったと思う。写真を貼っていたのは1か月ぐらいだったかな。あくまでジョークでね。ずいぶん前に(出禁リストから)外したよ」
ブルージェイズ移籍騒動から2年。今度は悲願のワールドシリーズ制覇の前に「ショウヘイ・オオタニ」が立ちはだかる。販売スタッフは「(ブルージェイズにとっては)正直タフなシリーズになると思うな」と苦笑いを浮かべた。
「今また出禁したら話題になると思うけどね。でも、もうやらないと思うよ」
地元・ブルージェイズファンでもあるスタッフは、こう笑い飛ばしていた。