ハードル高い二刀流も…ドラ3左腕に「挑戦して」 専門家が分析した“神ドラフト”

ロッテ・サブロー新監督【写真:岡部直樹】
ロッテ・サブロー新監督【写真:岡部直樹】

ロッテのドラフト戦略、野口寿浩氏が評価

 最下位からの巻き返しへ、満点のドラフトだ。「2025年プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」が23日に都内で行われ、ロッテはドラフト1位で健大高崎高・石垣元気投手を指名。オリックスとの競合の末に交渉権を獲得した。

 2位で明大エース左腕の毛利海大投手、3位では今春選抜優勝の横浜高・奥村頼人投手を指名。続々と逸材を指名し、現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「100点のドラフト」と高く評価した。

 ロッテはサブロー新監督が、いきなりの大仕事だ。最速158キロ右腕・石垣の交渉権獲得に成功。野口氏は「サブロー監督が言っていたように石垣は即戦力の力がある。すぐに出てこられるんじゃないかと思う。ただ、怪我をされたら困るので、佐々木朗希(現ドジャース)のように大事に育てると思います」と今季からメジャーに挑戦した右腕と同様の育成方針を予想した。

 2位の毛利は今春の東京六大学リーグ戦で6勝をマーク。日米大学野球ではメジャー予備軍を相手に3試合に登板して計7回無失点の快投を披露した。1位候補にも挙がっていた即戦力である。野口氏は5位の日本通運・冨士隼斗投手にも注目。最速155キロを誇る右腕を「凄くいい投手。即戦力になります」と活躍に太鼓判を押した。

「将来が楽しみな期待できるメンバー」

 即戦力ではないものの、3位・奥村への期待も大きい。横浜高のエース兼4番として選抜大会では準決勝で石垣を擁する健大高崎高を撃破。全5試合に登板し、打っては打率.381で優勝の立役者となった。夏の神奈川大会では準決勝、決勝の2試合で計3本塁打。投打で非凡な才能を示してきた。

 野口氏は「可能であれば、チーム事情が許すのであれば、奥村には二刀流に挑戦してほしい」と力を込める。「投げる方は勝ち方を知っている投手だし、やはり左腕は希少価値がある。打つ方のセンスも非常に魅力的です」。プロでの二刀流はハードルが高いことを承知の上で「チーム事情が許すなら」と何度も念を押しながら願望を口にした。

 支配下は高校生4人、大学生1人、社会人2人。「バランスよく指名できています」という野口氏は、4位の昌平高・櫻井ユウヤ内野手の名前も挙げ「将来が楽しみな期待できるメンバーがそろっています」と期待を寄せる。

 今年は8年ぶりの最下位に沈んだロッテ。逆襲に向け新たな体制で臨む中、狙い通りのバリエーションに富んだ補強に成功した。ファンの間では「神ドラフト」の声もある。新しい力を得て、生まれ変わろうとしている。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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