気になる山本由伸の“秘密のノート” 12歳から開始16年…走らせるペン、信じ切る感覚

山本由伸が書き込んで16年目…“黒ノート”の秘密
熱投の中でも欠かさない、直筆のメモが生きる。ドジャースの山本由伸投手は25日(日本時間26日)に敵地で行われたブルージェイズとのワールドシリーズ第2戦に先発登板し、9回1失点で完投勝利をマークした。105球の好投には“秘密のメモ”があった。
マウンドに上がる直前、ベンチ内で黒色のノートを眺めていた山本はペンを走らせた。その後も試合中、ベンチに戻ればノートを開いて見る行動が注目を集めた。試合後の会見で問われると「いつもずっと。全部の試合でやっているんですけど、作戦面のことを書いてます」と笑顔で答えた。
1冊のノートを選ぶ、こだわりはある。黒色、手持ちのサイズ、そして……。背中がリングのノートを好んで選んできた。“由伸ノート”を書き始めたのは12歳の頃で、もう16年目になる。
「中学時代のチーム(東岡山ボーイズ)のルールでした。チームで『野球ノートを書きましょう』ということで。書き忘れたら、練習が増えたり、走るメニューがきつくなったりしていたので、その作戦に引っかかったんです(笑)。(ノートを)書く癖をつけてもらった時期でした」
投球時の気づきや、自身の体の状態などを書き込んできた。今は相手打者への攻め方なども記入。全力で腕を振る準備を整える。緻密な作業が、1球の強みを生む。
(真柴健 / Ken Mashiba)