山本由伸に託された“命運” 思い出される2年前の138球…大一番に強い本当の理由

山本由伸「とにかく勝つだけ。最高の準備をして100%の自分で挑めたら」
【MLB】Bジェイズ 6ー1 ドジャース(日本時間30日・ロサンゼルス)
崖っぷちまで追い込まれたが、決して暗い表情ではなかった。ドジャースは29日(日本時間30日)、本拠地で行われたブルージェイズとのワールドシリーズ第5戦に1-6で敗れ、対戦成績が2勝3敗となった。“王手”をかけられた第6戦には、エース・山本由伸投手がマウンドに上がる。
敗戦直後に行われた会見は、どこか楽しそうにも見えた。「とにかく勝つだけ。最高の準備をして100%の自分で挑めたらいいなと思います。しっかり練習を頑張ってきたので自信を持ってマウンドに上がりたい」。飛び出す言葉も“普段通り”で、こんなところにもルーティンを感じるほどだった。
2日後の決戦に向け、集中力を高める。「ゲームプランはまだこれから。(相手は)良いチームに変わりない」。第2戦で9回1失点完投勝利をマーク。ブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズ第2戦に続いて、ポストシーズンでの2試合連続完投は2001年のカート・シリング以来、24年ぶりの快挙だった。
2勝3敗で迎える第6戦。思い出される試合がある。オリックス在籍時、日本最終登板となった阪神との日本シリーズだ。9回138球1失点で完投勝利。14奪三振の快投で9回を投げ終えると、右拳を突き上げたのが記憶に新しい。
会見で大一番に強い秘訣を尋ねられた山本は言った。「いやぁ……。わからないです(笑)。うん、なんでしょう。本当にわかりません」。いつも自然体。その言葉、浮かべた表情に理由はあった。
(真柴健 / Ken Mashiba)