6年目ドラ1に滲む“危機感” 傍観したCS、躍動するライバル…外野挑戦も譲れぬ思い

DeNA森は右肘の手術を受けてリハビリ中も「来年は最初からいけます」
スッキリした表情の中に、危機感がにじんでいた。DeNAの森敬斗内野手は24日に右肘のクリーニング手術を受け、リハビリ中。今季は28試合の出場にとどまり、フェニックスリーグでは外野にも挑戦した。それでも「もちろんショートで試合に出たいし、負けたくないです」と声を大にした。
「肘のことがあったから結果が残らなかったわけではないです」。森は不甲斐なかった今季の成績を受け止める。昨季はポストシーズン全試合に遊撃で先発出場してリーグ3位からの日本一に貢献した。さらなる飛躍を誓った今季だったが、開幕スタメンを掴むも長続きせず、2度の登録抹消。7月7日に2軍落ちした後は右肘の痛みに苦しみ約1か月のリハビリ生活も経験した。
右手を上げて髪の毛を洗うこともできず、左手だけで洗うなど日常生活にも支障をきたしていた。「ネズミ(遊離軟骨)があって痛くて、来年やこの先もそうなるのが嫌だったので。来年は普通に最初からいけます」とこの時期に手術に踏み切り、気持ち新たに来季の勝負に挑む。
フェニックスリーグでは高校3年時のU18以来となる外野を守った。ドラフト1位で入団して正遊撃手候補と言われ続けた森も、プロ6年目が終わろうとしている。悩み苦しんだシーズンの最後に思わぬ挑戦となったが「自分の可能性を広げるためって(球団に)言われて。ポジティブに捉えて、楽しかったです。本格的にやったので専門的な指導を受けたり話ができて、外野だけに限らず内野をやるときにも繋がることもあると思うので」とプラスに受け入れた。一方で、揺るぎない思いがある。
「ショートでレギュラーを獲るのが一番の望みなので、そこをちゃんと目標にして頑張りたいです。今年はもちろん悔しかったし、ああやってクライマックス(CS)を戦っていて、あそこでもう一度自分が出てプレーしたい。負けたくないという感じです」
今年のCSは宮崎県内でテレビで見ることしかできなかった。自身がつまずいている間に、遊撃のポジションでは林琢真や森と同学年の石上泰輝ら若手が躍動していた。隠すことなく口にした「悔しい」の言葉。リハビリを行った先に、背番号6の逆襲が待たれる。
(町田利衣 / Rie Machida)