同点ランニングHRの危機「ちょっと怖かった」 勝負を分けたディーンの「野球勘」

Bジェイズ戦に出場したドジャースのジャスティン・ディーン【写真:ロイター】
Bジェイズ戦に出場したドジャースのジャスティン・ディーン【写真:ロイター】

中堅ディーン「ちょっと怖かったけど、自分の野球勘を信じました」

【MLB】ドジャース 3ー1 Bジェイズ(日本時間1日・トロント)

 絶体絶命の危機で冷静な判断が光った。試合後、ドジャースのジャスティン・ディーン外野手は声を弾ませた。

「ボールがフェンスの中に埋まってしまって。『え、まさかそんなはずないよな』と思ったんですけど、ルールはちゃんと分かっていたし。ちょっと怖かったけど、自分の野球勘を信じました」

 まさかのプレーとは、2点リードの9回無死一塁だった。バーガーの打球は左中間へ。9回から守備固めで中堅に入ったディーンは、フェンス手前でクッションボールの処理をしようとしたが、打球は跳ね返って来ず。両手を挙げて、打球がフェンスに挟まったことをアピールした。

「打った瞬間に、すごい当たりだと思った。それでフェンスに跳ね返るのを待つ体勢を作ったんだ。でも跳ね返ってこなくて。それで『あ、これは絶対に壁に埋まったな』と。直感を信じてプレーした」

 ディーンが審判へアピールする間に打者走者のバーガーまで本塁を駆け抜けていたが、グラウンドルールで判定は二塁打に。チームはなんとか逃げ切り勝ちした。

 ディーンは2018年ドラフト17巡目(全体502位)とブレーブス入りし、今年8月にドジャースでメジャーデビューしたばかり。今季は18試合に出場したが、今季の打席数はわずか2。代走と守備固めが主戦場だ。

「ワールドシリーズの第7戦でプレーできるなんて、自分にとってもチームにとっても信じられないようなチャンスだ。もし連覇を目指すなら、こんなドラマチックな展開がいいよね。次はもっと良い結果を出せるように『ハンズアップ』するよ」

 28歳の苦労人は満面の笑顔を浮かべていた。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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