山本由伸にコーチも感動「二度とみられない」 興奮のあまり…殊勲のスミスにまさかの“被害”

WS第7戦でマウンドへ向かうドジャース・山本由伸【写真:荒川祐史】
WS第7戦でマウンドへ向かうドジャース・山本由伸【写真:荒川祐史】

世界一になったドジャース、試合後の一幕

【MLB】ドジャース 5ー4 Bジェイズ(日本時間2日・トロント)

 ドジャース・山本由伸投手が1日(日本時間2日)、敵地で行われたブルージェイズとのワールドシリーズ第7戦、シリーズ3勝目を挙げて胴上げ投手になり、シリーズMVPに選ばれた。ディノ・イーベル三塁コーチは「ヨシが成し遂げたことは二度と見られないでしょう」と救世主に感謝の言葉を届けた。

 山本は第2戦では9回1失点で完投勝利、第3戦では延長18回にブルペン待機した。そして前日の第6戦に先発し、6回1失点の好投を披露。崖っぷちのチームを救った。そして中0日で迎えた第7戦、9回のピンチに救援登板。1死二、三塁のピンチを凌ぎ、10回、11回と1点取られれば負けの場面で得点を与えなかった。

 延長11回にウィル・スミス捕手が勝ち越し弾を放つと、その裏には1死一、二塁と走者を背負った。それでも、カークを遊ゴロ併殺に打ち取り歓喜を味わった。ワールドシリーズ3登板で3勝0敗、防御率1.02、15奪三振の成績を残し、日本人選手としては16年ぶりとなるシリーズMVPに輝いた。ワールドシリーズでの3勝は歴代13度目。直近では2001年のランディ・ジョンソン以来の快挙だった。

 地元メディア「スポーティング・トリビューン」の創設者でCEOのアラシュ・マルカジ氏は自身のX(旧ツイッター)を更新。三塁コーチとして激闘を見守っていたイーベルコーチの取材映像を公開した。イーベルコーチは「この組織は、毎日我々が勝つことを望んでいます。期待されているのはワールドシリーズで優勝することです。そして今夜、私は幸せでした」と感慨の表情を浮かべた。

 そして山本について聞かれると、「ヨシが今夜成し遂げたことは、おそらく二度と見られないでしょう。もし見ることができたら、それを成し遂げた選手に称賛を送ります。あのパフォーマンスは信じられないものです」と脱帽した。

 一方で困ったこともあったようだ。スミスが三塁ベースを回ると、とんでもない勢いでハイタッチされ「まだ手首が痛いですよ。振り向いた時に手首を叩かれましたからね」と苦笑い。「でも、彼は私たちとのキャリアを通じてずっとそうしてきました。大きなホームランや大きなヒットを打ってきました。今夜はホームベースの後ろで素晴らしい試合をしました」と、手に残る痛みも勲章のようだった。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY