激闘から2日後に見せた“新たな成長” 目立つのは「得意じゃない」…山本由伸が絶叫した理由

山本由伸から飛び出した名言「Losing isn’t an option!」
激闘を終えて2日が経った。ボロボロになるまで戦った“主役”は、まだステージの中央に堂々と立っていた。ドジャースの山本由伸投手が3日(日本時間4日)、ドジャースタジアムで行われたワールドシリーズ連覇のセレモニーに参加。登場時には先頭を歩いて同僚たちを先導するなど、ワールドシリーズMVPを称えられるシーンが目立った。
名前がコールされ、壇上でマイクを持つと“スイッチ”を入れた。「Buenas tardes!(こんにちは)」とスペイン語で挨拶をして、バッチリとファンの心を掴むと「You know what? Losing isn’t an option!(知ってる? 負けるという選択肢はない!)」と、大きく叫んだ。
「Losing isn’t an option」。言葉通りの躍動だった。ワールドシリーズでは3試合に登板。先発した第2戦は9回完投勝利を収めると、第3戦では延長18回にブルペンで肩を作った。第6戦の先発登板では6回1失点。“中0日”で救援登板した第7戦は2回2/3を無失点に抑え、シリーズ3勝目をマーク。チームを9度目の世界一に導き、MVPを獲得した。
元々は目立つことが「得意じゃないですね」と謙遜する27歳が、ロサンゼルスの心を震わせた。
「Thank you my teammates! my coaches……our amazing staff……and all the fans! we did it together. I love Dodgers I love Los Angeles! ありがとう!」。紙を持つことなく、自分の言葉で伝えた。言語が違う異国だからこそ、目を見て話す大切さを知っている。「You know what?」。そう言って見上げた視線の先には、鮮やかなドジャーブルーが映っていた。
(真柴健 / Ken Mashiba)