涙、嗚咽飛び交ったBジェイズのクラブハウス 目の前で逃した世界一…主砲の癒えぬ傷

ブルージェイズのアディソン・バージャー【写真:ロイター】
ブルージェイズのアディソン・バージャー【写真:ロイター】

バージャーはWSで打率.480と大活躍

 悲痛な思いがにじみ出た。ブルージェイズのアディソン・バージャー内野手が、ドジャースとのワールドシリーズ第7戦に敗れ、クラブハウスが悲しみに包まれていた舞台裏を語った。敗戦から数日が経っても、心には深い傷が残っているようだ。

 米スポーツ局「MLBネットワーク」のオフの情報番組「ホット・ストーブ」は5日(日本時間6日)、バージャーへのインタビュー映像を公開した。多くの選手が泣いていたことを問われると、バージャーは「本当に悲しかったです。みんなとても落ち込んでいたと思う。泣いていない人はいなかったんじゃないかな」と回顧した。

「負けたことが辛いのはもちろんだけど、みんなとの別れも辛かったんです。8、9か月間もずっと一緒に過ごしたし、とても仲が良く最高のチームでした。今までもそうだったように、来年は必ずしも全く同じチームではないと分かっているので、それが寂しいんです」と続けた。

 移籍の激しいメジャーリーグ。チームの顔ぶれが継続すること自体、かなりレアケースだ。ブルージェイズに関して言えば、主力のボー・ビシェット内野手、41歳のベテラン右腕、マック・シャーザー投手らがFAとなる。

 チームの下馬評が決して高くなかったが、シーズン中盤の6月末から7月初旬にかけて、ブルージェイズはヤンキースを相手に4連勝を飾った。バージャーは「あれが大きなポイントだった」と振り返り、「地区首位に立った頃には、自分たちが良いチームであり、優勝を狙えると感じていた」と自信を深めていた舞台裏も明かした。

 今季のブルージェイズの特徴は若手の台頭が一つ挙げられる。ビシェット然り、ブラディミール・ゲレーロJr.内野手然り、生え抜きの活躍も印象的だった。バージャーは「勝ち方を教えているのだと思う」とブルージェイズの育成力を評価。「競争心を持ち、強いメンタルで正しくプレーすること。それをマイナーリーグから学んできた」と語った。

 試合後、ジョン・シュナイダー監督が「メディアが作り上げた、ダビデとゴリアテのような構図はナンセンスだ。我々は勝てただけでなく、このシリーズをスイープすることもできた」と話していたことを司会のマット・バスガーシアン氏から伝えられると、バージャーは「そのコメントは今初めて聞いた」としつつ、「監督は本当に素晴らしい人。試合後もクラブハウスに来て、僕たちを奮い立たせてくれた」と明かした。

 9回1死までリードしながら、まさかまさかの形で同点となり、延長11回の末に敗れた。バージャーは2年目の今季21本塁打を放ち、ワールドシリーズ第1戦では史上初の代打満塁弾を記録するなど、打率.480、出塁率.536、OPS1.216と躍動。最後までドジャースの前に立ちはだかった。悔しさを糧に、来季はさらなる成長を見せるに違いない。

(Full-Count編集部)

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