突きつけられた75%大減俸 球宴出場も痛感した“現実”…35歳によぎった2文字

インタビューに応じた今江敏晃氏【写真:町田利衣】
インタビューに応じた今江敏晃氏【写真:町田利衣】

ロッテ→楽天にFA移籍した今江敏晃氏「思うように結果が出せなかった」

 ロッテで14年間を過ごした今江敏晃氏は、2015年オフに海外フリーエージェント(FA)権を行使して、3年契約で楽天へ移籍した。契約最終年だった2018年には127試合に出場し、自身5年ぶりの球宴出場と復活を遂げたかに見えた。しかしオフに待っていたのは、年俸2億円から減額制限(1億円以上は40%)を大幅に超える75%減となる5000万円での契約更改だった。

「まあそれは、3年加味してということで。1年働いたからいいわけではないということじゃないですかね」。今江氏が悔しそうに口を開く。新天地1年目は怪我で出遅れ89試合の出場にとどまった。翌2017年も相次ぐ故障で51試合と、レギュラー定着後最少の出場数に終わっていた。

「正直、イーグルスで選手として貢献できなかったと思っています。なかなか思うように結果が出せなかったですね。肘の怪我もしたりして、ちょっと体が思うように動かなかったのもあります。肘の手術をしてから感覚、バランスがおかしくなったりもしました」

 とはいえ、2018年のパフォーマンスには手応えもあった。6月からは4番を務め、同月終了時点で打率.303。最終的には4シーズンぶりに規定打席に到達して打率.276、本塁打も4年ぶりに2桁10本を数え、116安打を放った。それでも“大減俸”を受け入れた真相を明かした。

「僕もイーグルスとチームメートが本当に好きだったので…」

「もちろん他球団への移籍も考えましたけど、いろいろ相談もして、年齢とかも踏まえた上でどうだろうと。ここから移籍して一からというリスクを考えると、契約していただけるならそこでやったほうがいいのではという意見もあって。僕もイーグルスとチームメートが本当に好きだったので、それも含めての決断でした」

“FA戦士”として期待されていることによる焦りやもどかしさもあった。しかし今江氏は「受け入れてやっていたので、それを言い訳にするのは違うと思うので。それに関しては、そういうのが当たり前だし、それでも僕は行ってよかったと今でも思います」と真っすぐに受け入れた。

 大減俸を経て、35歳で背水の覚悟で挑んだプロ18年目の2019年。オフから気合を入れて自主トレに励んでいたが、キャンプイン前日に右目の不調を発症し、最後まで悩まされることになる。

(町田利衣 / Rie Machida)

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