激怒させた落合博満に「土下座して謝りたい」 煽りが招いた失態「大変失礼なこと」|球界群像 達川光男#17
元広島・達川光男氏【写真:山口真司】“ささやき戦術”で失敗談…大杉に「石コロ」→衝撃弾
元広島の達川光男氏はマスク越しの巧みな“ささやき戦術”でも知られる。相手打者にしてみれば、それで集中力がそがれるようなこともあったのだろう。大洋(現DeNA)がチーム全体で“達川完全無視作戦”を実行したほどだ。その一方で“ささやき”が思わぬ方向に行ってしまったこともあるという。ある試合では中日の主砲・落合博満内野手を大激怒させたことも。「本当に失礼なことを言ってしまった。今でも土下座して謝りたいくらいですよ」と話した。
達川氏の“ささやき戦術”は、ブツブツつぶやく独り言や、「初球から振ってくるぞ、気をつけろよ」などの投手へのハッパも含まれているが、相手打者にしてみれば、リズムを狂わされたり、かんに障ったり、思わず平静を保てなくなることも多々あったようだ。そこで起きたのが大洋の“達川無視作戦”だった。「あれはね、(当時大洋外野手の)加藤博一さんがミーティングで言ったらしいですよ。『達からは何を言われても無視しよう』ってね」。
これには、さすがの達川氏も面食らったそうだ。「全員、挨拶もしないんですよ。私が『挨拶もできないの』と声をかけても誰も何にも言わないんですから……」。中堅、ベテラン選手はもちろん、若い選手まで、それは徹底されていた。「それで、その日の試合は負けたんですよ。次の日、加藤さんは『いつも達には若い子が翻弄されていたからね。参ったか』って。『加藤さん、すみません。参りました』と言いました」。
4歳年上の加藤氏とは古くからのつきあい。「加藤さんが阪神(在籍)の時からよく話をしていましたからね」。“無視作戦”は、そんな関係もあってのことだったかもしれないが、そんな“ささやき術”が裏目にハマったこともある。よく知られているのはヤクルト・大杉勝男内野手を「石コロ」と言ったとされる一件だ。もっとも、それは打者への“ささやき”ではなく、制球が定まらない津田恒実投手を落ち着かせるために発した言葉だった。
3冠王・落合にボソリ…「変な駆け引きはしないでくださいよ」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜達川光男編〜
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