宗佑磨、打撃不振の苦悩「迷って、迷って」 見えぬ光明も…信じる「積み重ね」

オリックス・宗佑磨【写真:栗木一考】
オリックス・宗佑磨【写真:栗木一考】

今季は98試合に出場、打率.235と不振から脱却できず

 2年連続で打撃不振に苦しんだオリックスの宗佑磨内野手が、打開のきっかけをつかむ練習を積み重ねている。

「長かったです。(長さは)去年と一緒です。(打開策は)探せてないですね。迷って、迷って、ですね。」。宗が悔しさを押し殺し、11年目のシーズンを振り返った。

 宗は横浜隼人高から2014年ドラフト2位でオリックスに入団。俊足好打、高い身体能力を生かした躍動感あふれる好守の内野手として、チームの3連覇、日本一に貢献。2021年から3年間、ゴールデングラブ賞とベストナインを獲得した。

 今季は98試合に出場し、打率.235。打撃が下降した2024年の97試合、.235とほぼ横ばいの成績に終わってしまった。「結果を求めていた。結果を欲しがっていたんです」と宗。ただ、原因はつかみ切れていないという。「一つじゃないんです。複合でそうなっているんです。何か一つじゃない。それがわかっていたら打てます。答えが一つじゃないから、みんな打てなくなったりするんです」

 守備の名手だが、常々言うのは打撃の重要性だ。「(極端な話)守備なんかどうでもいいんですよ、バッティングなんです。バッティングがよくなければ試合に出られないし、守備がダメでもバッティングがよかったら出られる。単純、簡単なんです。それだけです」。野球は“点取り合戦”。守備の重要性を認識しているからこそ、打撃のいい選手がより多くの出場機会を得られるという現実を直視しているといえる。

 打撃不振といっても、シーズンを通して不調ということはあまりない。2022年、宗は130試合に出場し、打率.271をマークした。「いい調子が続くというのは長くて1か月なんです。そこでちょっと落ちた調子を元に戻すのが早いのがいい選手なんです。3、4年前はそれができていたんです。今は、そこから戻すのに時間がかかってしまうからダメなんです。そこなんですよね」

 答えはまだ出せてはいないが、打開策はある。「積み重ねですね。積み重ねがなければ、きっかけにたどり着けないです。何かのきっかけでパーンといくかもしれないですけど、積み重ねがなかったら続かないのです」。オフは技術はもちろん、バッティングにつながる体の使い方に取り組んでいる。「どっちも大事です。技術があってもそれに対応する体の強さがないとダメだし、体だけ強くても技術がなければダメです」。きっかけを探し求め、確実に体に染み込ませる愚直な作業に没頭する。

〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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