伊藤光が明かしたDeNA→楽天FA移籍決断の理由 若手台頭も「僕も経験しています」

楽天へFA移籍することになった伊藤光【写真:町田利衣】
楽天へFA移籍することになった伊藤光【写真:町田利衣】

「ベイスターズが本当に好きで愛着もありますし…」

 DeNAから海外フリーエージェント(FA)権を行使して楽天に移籍した伊藤光捕手が19日、ブルーのネクタイにスーツ姿で横須賀市内の2軍施設を訪れ、チームメートや関係者に挨拶を行った。2018年途中にオリックスからトレードで加入して約7年半。悩んだ胸中やDeNAファンへの思いを語った。

 報道陣の前に立った伊藤光は、「まずはじめに、ベイスターズ在籍の間、報道を通していろいろと伝えていただきありがとうございました」と一礼。すっきりした表情で、ファンへの感謝を口にした。

「以前オリックスにいて突然のトレードで、僕も1球団で最後までやり遂げるプロ野球生活が幸せなんだろうと思って取り組んでいたんですけど、2018年7月にハマスタで初めて試合に出たときに、スタジアム全体が本当に温かく迎え入れてくれたのを鮮明に覚えていますし、毎試合温かい声援を送っていただいて自分の力以上のものを発揮させていただいたファンの方には本当に感謝しています」

 2019年には84試合に出場したが、山本や松尾ら若手の台頭もあって年々出場機会は減り、今季はわずか6試合に終わった。伊藤は「こういう決断になりましたけど、チームにとって若い選手が出てくるのはものすごくいいことですし、僕も若いときにチャンスをいただいて今までプロ野球選手を続けているというのを経験しています。役割、立場が変わって、若い選手の方がやはり魅力があるので、僕なりに生きるところがあるんじゃないかと本当に悩んで、楽天イーグルスでそういうチャンスというか、お話をいただいたので挑戦することになりました」と明かす。

 その上で、「ですけど、ベイスターズが本当に好きで愛着もありますし、なのに移籍するというのでどういうふうに思われるかわからないですけど、僕が過ごしてきた8シーズンで本当に貴重な経験をさせていただいたので感謝しています」と強調。「リーグも違うので、直接対決以外は応援していただけたらうれしいですし、ちょっとでも活躍できている姿を届けられれば僕の決断もよかったのかなと思える日が来るのかなと思うので頑張りたいと思います」と言葉を紡いだ。

 来季でプロ19年目を迎える36歳。自身3球団目となる杜の都で図る再起へ「チームが勝つのが一番なので、それに少しでも貢献できればと思いますし、選手としてはレギュラーを獲ることを諦めればやる意味がない。成績はあとからついてくるので、その日その日の試合、年間を通して勝ち切るというのに、プレーでも、経験を伝えることでも貢献できればいいと思います」と強い眼差しを向けた。

(町田利衣 / Rie Machida)

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