チームで禁止も…巨人スターが許された“特権” 若手の密かな楽しみ、感謝の告白「くれるのよ笑」

巨人現役時代の柴田勲氏、高田繁氏、長嶋茂雄氏、金田正一氏、王貞治氏(左から)【写真:アフロ】
巨人現役時代の柴田勲氏、高田繁氏、長嶋茂雄氏、金田正一氏、王貞治氏(左から)【写真:アフロ】

長嶋さんより10学年下の高田繁氏「入ったときから大スター」

“スター”は別格だった。6月3日に肺炎のため死去した長嶋茂雄さんの「お別れの会」が21日、東京ドームで行われた。V9メンバーとして共闘した高田繁氏は現役当時を回顧し、長嶋さんの“お茶目”な一面を明かした。

 長嶋さんの10学年下の高田氏は1967年のドラフト1位で明大から巨人に入団。球団はリーグ9連覇(1965年〜1973年)の真っ只中で、中心選手だった長嶋さんは「(自分が)入ったときから大スター。そんなに気安く話はできなかった」と振り返った。

 遠征先の食事会場では「球団が厳しくてビールなんて飲めなかった。ミスターの前にしかないんだよ。あの人、お酒はそんなに飲まないのに瓶ビールをコップ1杯だけ飲むんだよ。すると『これ飲め』ってくれるのよ」。テーブルの下でこっそり、ビールが注がれたコップを渡してくれたのだという。

 入団1年目から主力選手として活躍してた高田氏だったが、若手だけに“禁止”されているビールを密かに楽しんでいたという。「だからミスターの前に行ってね、ビールのご相伴をあずかったことあるよ。何度もそれを狙って(近くに)行ったな」と嬉しそうに懐かしんだ。

「思い出はそりゃ色々ある。でも、本当にリハビリを頑張ってね。健康な人だって89歳になったらね。だから本当に頑張ったよね。すごいなと思ってね」。偉大な“先輩”への尊敬の念はいつまでも変わらない。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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