松井秀喜氏が明かした清原和博氏との“秘話” 無冠の帝王が持っていた「僕にないもの」

2002年優勝メンバーの同窓会に出席した清原和博氏(右)と松井秀喜氏【写真提供:読売巨人軍】
2002年優勝メンバーの同窓会に出席した清原和博氏(右)と松井秀喜氏【写真提供:読売巨人軍】

ジャイアンツ・ファンフェスタ“延長戦”

 久々の再会を果たした強打者の元同僚が、現役時代に抱いていた互いの感情を明かした。巨人OBの日本一メンバーが集結した「ジャイアンツ・ファンフェスタ“延長戦”~2002年優勝メンバー同窓会~」が23日、東京ドームで開催され、清原和博氏や松井秀喜氏らが出席した。

 イベント用のTシャツ姿の清原氏は、現役時代の登場曲だった長渕剛の「とんぼ」が流れる中で登場。スタンドから「お帰り!」と大歓声が響き、両手を上げて応えた。「何十年ぶりでしょうかね。こんな機会をいただいて本当に感謝しています」。そう話すとスタンドから大きな拍手が湧き起こった。

 清原氏の右横に座ったのが、本イベントの発起人である松井氏。「清原さん、うれしいです。久しぶりですね」と肩に手を置いて笑みを浮かべながら秘話を明かした。「皆さん知らないかもしれないですけど、僕がメジャーにいる時に、激励に来てくださったんですよ」。

 プロ通算525本塁打の清原氏は、日米通算507本塁打の松井氏について問われると童話「うさぎとかめ」にたとえて自身と比較。「僕はうさぎのように最初ぴょんぴょん跳んでいきましたけど、(松井は)本当に地道に毎年毎年進化しているのが分かりました」と評した。

「キヨさんの1本は球場の雰囲気を変えるんです」

 高卒1年目から西武で4番を担い、31本塁打を放った清原氏に対し、松井氏は1年目は11本塁打。30本塁打を初めて超えたのは4年目の38本塁打だった。そこから7年連続30本塁打以上を記録。10年目の2002年に50本塁打を放ち、翌年からメジャーリーグに挑戦した。

 巨人に移籍した清原氏と1997年から6年間、チームメートとしてプレーした松井氏は「キヨさんは僕が持っていないものを持っています」とコメント。「キヨさんの1本は、僕の歓声よりも大きいんですよ。これはやっぱりね、いつまでたっても、キヨさんに対する嫉妬があるんですよ。キヨさんの1本は球場の雰囲気を変えるんです」と続けた。

 日本で3度の本塁打王を獲得し、メジャーでも175本塁打を放った松井氏が、無冠の帝王と呼ばれた清原氏に抱いていた複雑な思い。「もう東京ドームのファンの人たちは僕のホームランに慣れちゃっているんですよね。あんまり珍しいことじゃなかったから。自慢じゃないですよ」と話して笑いを誘っていた。

 現役時代には聞けなかった2人の心境。20年以上の時を経て繰り広げられた軽妙なかけ合いトークに、ファンは大満足の様子だった。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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