DeNA2軍にも足りなかった“がむしゃら” 左腕が指摘した現状…選手が次々提言

石田健大は左肩故障で初1軍登板なし「まだいますとアピールできれば」
DeNAの石田健大投手が25日、横浜市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸8000万円(金額は推定)でサインした。来季が4年契約の3年目となる。今季は度重なる左肩故障によりプロ11年目で初めて1軍登板なし。シーズンを通してファームで過ごす中で、若手選手の“現状”には思うところがあった。
前日24日の契約更改後の会見では、筒香嘉智外野手、柴田竜拓内野手がリーグ優勝のために“提言”。筒香は「優勝という強い思いを、選手、スタッフが全員持たないといけないと思いますし、その思いがない者というのはグラウンドに入る資格はないと思います」と強い言葉で覚悟を示し、柴田はゴミを捨てない、分別ができていないなどグラウンド外での“隙”が野球に繋がっていることを指摘していた。
2019年から2年間選手会長を務め、これまで3度の開幕投手を務めたチームの中心選手である32歳も「僕も間違いなくそうだなって思いました」と同調。「僕はファームに1年間いたので、若い子と今まで以上に触れ合わせてもらって、優勝とか勝ちたいとか、ファームで優勝することが全てではないかもしれないですけど、やっぱりそこのレベルには全くない状況なので。どうやったら1軍に上がれるか考えてやっている選手も少ないんじゃないかなと思います」と明かした。
ファームは育成の場でもあるが、そこも含めてチーム一丸にならないことには26年間成し遂げていないリーグ優勝は遠い。「1軍の選手だけがそういう(優勝したいという)気持ちでやっていればいいというものでもないと思うので。直接言うのがいいのか、やっている姿を見せて『あ、やばい』と思わせるのがいいのかはすごく難しくて、いろいろ試行錯誤しながらの1年でしたけど」ともどかしかった胸中を吐露した。
それでもチームのために、終盤は自ら指摘することもあった。「言ったらやる選手もいますし、言ってもやらない選手も中にはいますし。でも本当に筒香さんが言ったように、個人のことだけ考えていても勝てないというのは今年1軍を見ていても思いました。みんなライバルで、なかなか一つになる難しさはあるのかなと思いますけど、勝つために、優勝するために一つになるのは難しくないと思うので」と訴えかけ、「(来春の)キャンプから伝えていけたらと思いますし、僕自身が一番そういう気持ちを強く持ってやらないといけないので、自覚を持ちながらやれたらなと思います」と襟を正した。
苦しんだ左肩も「今が一番いいかなと思います」と状態は良好。「2月の頭からブルペンも普通に入って、リハビリ枠ではなく、どういう状況でもいけますという状態にはなれるかなと思っています。1年半投げられていないので、また一から、監督も代わりましたし、まずは『まだ石田健大います』というところをアピールできればいいかなと思います」と誓う。再起を図る12年目の来季は、言葉で、結果で、牽引していく。
(町田利衣 / Rie Machida)