阪神・佐藤輝明がMVP 40HR&102打点の2冠で“圧勝”…天国の祖父に捧げる「感謝を伝えたい」

「不調の波を少なくできた」
「NPB AWARDS 2025 supported by リポビタンD」が26日、東京都内で開催され、阪神・佐藤輝明内野手がセ・リーグの最優秀選手賞(MVP)を受賞した。球団からは2023年の村上頌樹投手以来、野手としては2005年の金本知憲氏以来20年ぶり、生え抜きの野手では初の快挙となった。
「素直にとてもうれしい。周りの方のサポートに感謝したいと思います。不調の波を少なく、それが今までの課題だったので、それが克服できた1年だったと思います。しっかり取り組んできたことが形になったのかなと思います」
2020年ドラフト1位で近大から入団し、5年目の今季に大砲として大暴れした。ともにキャリアハイとなる40本塁打、102打点でリーグ2冠を達成。打率も自己最高の「.277」を残すなど、チームの主砲としてリーグ優勝に貢献した。
「何より求められるのは結果なので、ずっと考えながらやった1年でした」
ライバルはチームメートだった。2年前のMVP、村上はリーグトップタイ14勝や単独トップ勝率.788、144奪三振で“3冠”。石井大智投手は53試合に登板し、50試合連続無失点を記録するなど1勝9セーブ、36ホールドの防御率0.17と無双の投球を披露した。才木浩人投手も12勝6敗で、リーグトップの防御率1.55をマークしていた。
「優勝した日は印象に残っています。すごくうれしかったです。甲子園で決められたので、それがよかったです。大歓声で。2年前に見た景色をもう1度見ることできてよかった。(来年も)MVP目指してチーム引っ張る活躍をやらないといけないと思います」。早くも来季を見据えた。
MVPは投票権のある記者がMVPと思う選手に1位、2位、3位の順位をつけて投票。1位は5点、2位は3点、3位は4点で佐藤輝は1308点で、414点で2位だった石井に大差をつけた。3位以降も村上ら阪神の選手が並び、今季の勢いを象徴していた。
MVPトロフィーを受け取り、壇上でインタビューに応じた佐藤輝は「家族に感謝を伝えたいと思います。いつも連絡をくれたり、いつも支えてくれて本当にありがたいなと思っています。ありがとう」と話し始めた。そして、「去年亡くなった私の祖父にも感謝を伝えたいと思います。僕が小さい頃、2人で野球をして楽しい思い出があります。それが僕の野球の原点になっていると思います」と、祖父にも思いを届けた。
「今日の姿を見せてあげたかったなというのが本音ですが、それでも今日天国で見守ってくれているんじゃないかなと思っています」と言葉を噛み締めた佐藤輝。「最後になりましたが、この賞を取ったからには、来年もチームを勝利に導き、そしてリーグ連覇を狙っていますので、そして日本一奪還を目指して頑張っていきたいと思います。本日はありがとうございました」と意気込みを口にした。