巨人OBが指摘したポスティングの“盲点” 相次ぐ移籍で疑問「えらいことになってしまう」

自身はFA権を行使してメジャーリーグに挑戦
巨人やメジャーリーグでプレーした高橋尚成氏が、自身のYouTubeチャンネル「高橋尚成のHISAちゃん」を更新。ソフトバンクの有原航平投手が自由契約となった件に触れ、近年相次ぐ主力の移籍を巡る制度の形骸化に懸念を示した。
2年連続で最多勝のタイトルを獲得する活躍を見せた有原は、今季限りで入団時に結んだ3年契約が満了していた。高橋氏は「ソフトバンクだって出したくないでしょうし、本人だって出たくないと思うんだけどなあ」と困惑した様子。有原のメジャー挑戦が2年間で終わっていたことから「もう一回チャレンジしてみたい、あのままじゃ終わりたくない、というのもあるのかな」と述べ、海外志向には一定の理解を示した。
一方で、主力級の選手がFA権を取得する前に他球団に移籍できてしまう現状には疑問を呈した。日本ハムからポスティング制度でメジャーに挑戦するも、1年後にソフトバンクに移った上沢直之投手の例にも触れ、「ポスティングして1年で移籍できるっていう、そこのルールもちょっと作らないと。たぶん今後、えらいことになっていっちゃいそうな気がする」と懸念。「そもそもの制度自体を変えていった方が良いんじゃないかな」と提言した。
自身が現役だった頃では「ここまで簡単に『はい、じゃあ出ます』的な感じで言えるのは、そうそうなかったんじゃないですかね」と振り返った。FA移籍にも「ちょっと罪悪感みたいなところもあった」と語った。
この問題の解決には「改善するための制度を作っていったほうがいい」と強調。選手が正当な権利としてメジャーに挑戦しやすくするために、FA権取得までの期間を短縮するなどを挙げつつ、選手会や球団が建設的に議論することの重要性を説いた。メジャーリーグでは、選手、球団、エージェントの「三角関係がすごくバランス良くなってる」とし、日本球界にも積極的な制度改革を求めた。