3度の指名漏れ…諦めかけたNPB「つらいことが大半」 4人の弟&妻と長男への恩返し

ヤクルトのドラフト7位・飯田は26歳でプロ入り「ここからが勝負」
ヤクルトは3日、東京都内で「新入団選手発表会」を開催した。ドラフト7位の飯田琉斗投手(ENEOS)は、26歳でようやく立ったスタートラインに「ワクワク感と、ここからが勝負だと身が引き締まる思いです。一日でも長くユニホームを着ていられるように、素晴らしい選手になるために腕を振れたらいいなと思います」と夢を描いた。
道のりは険しかった。横浜商科大時代もプロ志望届を提出したが指名漏れ。社会人の名門・ENEOSに進んだが、入社2年目の解禁イヤーではドラフトどころかチームの戦力になることもできず、「『プロはもうない世界だな』と何度も思いましたし、『もう夢の世界だな』と思っていました」と苦難の日々を振り返る。
それでも昨秋の日本選手権に登板して、1回1安打無失点2奪三振で最速155キロをマーク。「もう一回狙えるな」と、4年目の今季は再びプロを現実的な目標に定めて突き進んできた。調査書はヤクルトからしか届いていなかったが、赤い糸はつながった。感慨もひとしおだった。
「野球をやっていればつらいことが大半なんですけど、こうやって日の目を見るときも少なからずあるので。この先もきょうだいのために、家族のために頑張りたいなと思います」
男5人きょうだいの長男。背中を見て育った4人の弟たちは、全員野球に打ち込んでいる。さらにここまで見守ってくれた両親、妻と1歳の長男もどんなときも味方でいてくれた。「恩返ししたいですし、いい手本でありたいと思っているので」と優しい表情を浮かべた。
下位指名ながら、当然即戦力として期待される。色紙には「最多登板」としたため、「リリーフとして登板数が信頼の証だと思うのでこだわってやっていきたい」と意欲。やっとたどり着いたプロの舞台で、オールドルーキーが新風を吹き込む。
(町田利衣 / Rie Machida)