大谷超え1192億円男が“孤立無援”か 流出続く金満球団…米酷評止まらず「最大の敗者」

メッツのフアン・ソト【写真:ロイター】
メッツのフアン・ソト【写真:ロイター】

ポストシーズン進出逃す→主力3人流出の厳冬オフ

 金満球団はこのまま崩壊してしまうのだろうか。メッツは今オフ、ブランドン・ニモ外野手、エドウィン・ディアス投手、ピート・アロンソ内野手という投打の柱3人が相次いで流出する事態となった。年俸総額3億4000万ドル(約530億円)を投入した今季はポストシーズン進出も果たせず、オフの衝撃的な解体劇に米メディアは「最大の敗者」「クラブハウスを台無しにした」と辛辣な言葉を並べている。

 まさに“球団史上最悪の24時間”だった。11月末にニモをトレードで放出していたメッツはウインターミーティング中、ともにFAとなっていた守護神ディアスがドジャースへ、主砲アロンソがオリオールズへ流出することが決定。看板選手が一気に去る緊急事態となった。

 これを受け、米スポーツ局「ESPN」は「最大の敗者はメッツだ」と断言。3人とも成績が優れていただけでなく、球団にとって功労者だったことから「ファンにとって決して忘れられないほど酷な1週間だった」と、その惨状を伝えた。

 深刻なのが、残されたフアン・ソト外野手の孤立だ。昨オフにドジャースの大谷翔平投手を上回る歴代最高額の15年総額7億6500万ドル(約1192億円)で入団し、今季は好不調の波はあったものの自己最多43本塁打、38盗塁に加え、両リーグ最多の127四球を記録した。だが、後ろを打っていたアロンソがいなくなったことで、さらに勝負を避けられる可能性が極めて高くなった。

 元メッツ投手で解説者のロン・ダーリング氏はMLBネットワークに出演した際、「(打てる)打者を獲らない限り、ソトを年間150回歩かせるために金を払ったようなものだ」と指摘。アロンソの抜けた大きな穴を埋める別の打者を獲得しない限り、ソトへの7億6500万ドルの投資が無駄になりかねない現状に警鐘を鳴らした。

 レッズとナショナルズの元GMで米メディア「ジ・アスレチック」アナリストのジム・ボウデン氏も「メッツはクラブハウスを台無しにし、ファンを遠ざけてしまった。修正するには手遅れかもしれない」と切り捨てた。今後の補強でチームを立て直す可能性については「明日宝くじが当たることを願うのと同じくらいの気持ち」と、成功確率は限りなく低いとの見解を示した。

 カイル・タッカー外野手やアレックス・ブレグマン内野手、ボー・ビシェット内野手らを補強する可能性も残されてはいるが、あまりに大きな代償を払った今オフ。ファンの怒りと絶望が渦巻く中、メッツは厳しい冬を乗り越えることができるのだろうか。

(Full-Count編集部)

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