実はあった現ドラの予感…突然の電話に「あ、来た」 結婚から1年で移籍、支えた愛妻の言葉

ソフトバンクの入団会見に臨んだ中村稔弥【写真:長濱幸治】
ソフトバンクの入団会見に臨んだ中村稔弥【写真:長濱幸治】

移籍を察した着信「チャンスだと思う」

 突然の移籍連絡も、予感は以前からあった。ロッテから現役ドラフトでソフトバンクに加入した中村稔弥投手が15日、入団会見に臨んだ。「チャンスだと思いましたし、前向きに取り組んでいます。結果で信頼してもらえるように、オフから頑張りたい」。新天地での決意を口にした。

 今月9日、ZOZOマリンスタジアムのウエートルームでのトレーニング中に、突然球団から電話がかかってきた。この日が現役ドラフトの日であることは知っており、移籍の可能性も頭にはあった。「本当に『あ、自分かもな』というのは前からあって。電話が来た瞬間に『あ、来た』という感じでした」。予感が的中した瞬間だった。

 中村稔は2018年ドラフト5位でロッテに入団。1年目からプロ初登板を果たし、通算7年間で99試合に投げた。今季は全てリリーフとして15試合に登板し防御率3.15を記録したが、確固たる立場を築くまでには至らなかった。「思うような結果で貢献することはできなかったですけど、本当に貴重な経験をさせていただいた7年間だったと思っています」と古巣へ感謝の言葉を述べた。

 プライベートでは昨年11月に結婚したばかり。移籍を新妻に報告すると、「チャンスだと思うから頑張って。家とか探さないとだね」と声をかけられた。これまでもプロ生活を支えてくれたパートナーからの言葉に、改めて決意を固めた。

 長崎・佐世保市出身の左腕にとって、地元九州の球団への移籍は“特別な意味”を持つ。「小さい頃からダイエー、ソフトバンクが本当に大好きでした。ソフトバンクのユニホームを着てプレーできることはうれしいです」。これまでは対戦相手として見てきた常勝軍団。「1人1人のレベルが高くて、常に優勝を目指している球団だな」と身を引き締める。

 まずは新居探しから始まる慌ただしいオフ。「来年で8年目。もっと長くやるなら、本当にここで一皮むけないといけない。本当に選手としてのチャンスだと考えています」。地元・九州の地で必ず存在感を示してみせる。

(森大樹 / Daiki Mori)

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