ロッテの配置転換に「あれっ?」 元コーチが気にかける“盟友”の今後「あいつも頑張らないと」

元ロッテ・大塚明氏【写真:尾辻剛】
元ロッテ・大塚明氏【写真:尾辻剛】

前ロッテコーチ・大塚明氏、福浦2軍監督との関係性を説明

 右腕となって支えたい、強い絆がある――。ロッテでチーフ打撃コーチ兼走塁コーチを務めた大塚明氏は今オフ、32年間所属したチームを退団。入団後初めて球界を離れ、来年は外からプロ野球を見守る。ロッテ一筋だったプロ野球人生のスタートは1993年ドラフト。自身は3位で指名され、全体最後でロッテに7位指名されたのが同い年の福浦和也だった。

 投手として入団した福浦は、1年目の途中で野手に転向。4年目の1997年に1軍デビューすると翌1998年から一塁のレギュラーに定着した。2001年に打率.346で首位打者を獲得するなど「幕張の安打製造機」として活躍し、2018年に球団3人目の2000安打を達成して名球会入り。2019年の引退後は、近い将来の監督候補としてロッテでコーチを務めてきた。

 2018年から井口資仁監督が5年間、2023年からは吉井理人監督が3年間指揮を執ってきたが、チーム内には「いつか誕生する“福浦監督”につなぐという雰囲気があった」という。同期入団の大塚氏は「結構『将来、福浦を支えるために頑張れよ』と言われていました。福浦がいずれ監督をやるのが普通のことなんだろうと思っていました」と振り返る。

「福浦がもしも監督になった時、僕を選ぶかは分かりませんけど、球団が別の人を選ぶかもしれませんけど、ヘッドコーチのような立場で支えたいという思いはありました。実際になれるかは難しいかもしれません。でも、そういう目標を持って、ここまでずっと走り抜けてきました」

 2020年から2軍ヘッド兼打撃コーチを務めた福浦は、2022年から1軍打撃コーチに配置転換。2023年からは1軍ヘッド兼打撃コーチとなり、吉井監督がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンの投手コーチを務めていた期間は、監督代行を担った。次期監督への期待が高まっていたのである。

福浦はヘッド→1、2軍統括打撃コーディネーター→2軍監督

 だが、福浦は昨年オフ、1、2軍統括打撃コーディネーターに配置転換。「僕が打撃コーチになって『あれっ?』と思いました。福浦はどこに行ったんだって。僕が今回、ロッテを退団するのとは全く関係ないんですけど、流れが変わったようには感じました」。6月にサブロー2軍監督が1軍ヘッドコーチに配置転換され、代わって福浦が2軍監督となった。

 そして今オフ、サブロー1軍監督が誕生。「6月にサブローヘッドになった時、(オフに)サブロー監督になる流れになったんだなというのは頭の片隅にありました。サブロー監督が長く続けば、福浦はどうなるんでしょうね」。自身は打撃不振でチームが最下位に終わった責任を取って退団するが、盟友の今後は気になっている。

 1993年のドラフト同期は小野晋吾、諸積兼司が今も球団に残っている。大塚氏が現役引退した2010年のファン感謝イベントでは、引退セレモニーに福浦、小野、諸積も駆けつけて花束を贈呈したように同期の絆は強い。

「福浦には頑張ってほしいですね」。いつか“福浦監督”は誕生するのか。その時、大塚氏は現場に戻っているのか。そして、ヘッドコーチは誰になるのか。興味は尽きない。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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