守備の名手が感嘆「選手は見た方がいい!」 失策か安打か…微妙な判定の“真実”

荒木雅博氏(左)と西岡剛氏【画像:パーソル パ・リーグTV】
荒木雅博氏(左)と西岡剛氏【画像:パーソル パ・リーグTV】

公式記録員が担う「エラー/ヒット」判定の重責

 パーソル パ・リーグTV公式YouTubeで、野球界の常識をアップデートする番組『P’センチ UPDATE』が公開されている。22日配信回のテーマは「エラーの境界線」である。中日OBの荒木雅博氏、ロッテコーチの西岡剛氏、元NPB記録員でセ・リーグ記録部長も務めた石井重夫氏が出演し、「エラー」判定の実態を掘り下げた。

 アウトかセーフかは審判が判断する一方、エラーかヒットかを決めるのは公式記録員である。球場のビジョンにEかHの表示が出る瞬間に、緊張感を覚えた経験を持つファンは多い。

 1試合に複数人が配置される審判とは異なり、記録員は原則として1試合に1人である。すべての打球、守備を1人で判断する中で、エラーの判定基準がどこまで統一されているのかは関心が高い。石井さんは記録部長時代を振り返り、「ある程度、全体の判定基準を統一させるために、他の記録員が担当した試合をジャッジしたり、反省会もしていました」と明かした。

 守備が上手な選手ほどヒット性の打球に追いつくため、結果的にエラーが付きやすいという見方がある。しかし石井さんは「捕球したタイミングでの打者走者の位置も考慮した上で判定している」と説明する。たとえヒット性の打球に追いついて弾いてしまったとしても、捕球して送球していてもアウトにできないと判断されれば、ヒット判定になるという。

 番組内でMCの上重聡さんが、屋外球場で天候によるイレギュラーが起きやすい点について判定への影響を問うと、西岡さんは「そういったものは判定に考慮されていないと思います」と自身の見解を語った。これに対し石井さんは、「そういったものは全て考慮されています」と明言した上で、「試合の1時間前には球場に入って、シートノックから全部見ます」と準備の実情を明かした。守備の状態やグラウンドコンディションを事前に把握した上で、試合に臨んでいるという。

 この説明を受け、荒木さんは「選手みんなこの動画を見た方が良いですよ!」と強調した。記録員と接する機会が少ない選手にとって、試合前から細かく状況を確認している事実は驚きだったようで、記録員に対する見方が変わる内容となった。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY