トラウトが亡き義弟の名を背に試合復帰「悪夢を見ただけなんだと思いたい」
予定されていた「Kiiiiid」ではなく「A.Cox」の文字
エンゼルスのマイク・トラウト外野手が24日(日本時間25日)、本拠地アストロズ戦で23日ぶりに戦列復帰を果たした。8月1日(同2日)の試合出場を最後に、右手首の炎症で故障者リスト(DL)入りしていたが、15日(同16日)に妻ジェシカさんの弟でエンゼルス傘下マイナー投手だったアーロン・コックスが急逝。故郷のニュージャージー州に向かい、家族とともに時間を過ごしていた。
この日から始まった「プレーヤーズ・ウィークエンド」では、選手はニックネームの入った特別ユニホームを着たが、トラウトは当初「Kiiiiid」の愛称を入れる予定だったが、急遽コックスに哀悼の意を示すためにも「A.Cox」に変更した。
3週間以上も戦列を離れ、近しい家族を失った悲しみも拭いきれないトラウトだが、3打数2安打1四球と貢献。試合後、気丈に受けた取材では「復帰できて良かった」と話すと同時に、「ここ数日は僕と家族にとって精神的にタフだった。近しい家族を失うのは辛いこと。彼は素晴らしい人だった。夢であってほしい、悪夢を見ただけなんだと思いたい。だけど、乗り越えられると思う。素晴らしい家族がいるからね。ただ、ここ数日は本当に辛い毎日だった」と心境を吐露した。
義弟の名をユニホームに入れたことについて「彼に捧げたかったんだ」と告白。試合前の急なリクエストだったが、スタッフが対応してくれたという。
「義理の弟であり、親友でもあった」というコックスを各所で思い出すことも多いようで、この日も「グラウンドに来て、一緒に聞いてきた彼の好きな曲が聞こえてきたんだ。復帰できたのは良かったけど、それでもタフな1日だった」と声を落とした。
まだしばらく辛い日々は続きそうだが、元気にプレーし続けることが、亡き義弟への何よりの供養なのかもしれない。