日本一の陰で分かれた新戦力の明暗 上沢は大車輪の活躍…移籍1年で戦力外の左腕も

ソフトバンク・秋広優人、上沢直之、上茶谷大河(左から)【写真:古川剛伊】
ソフトバンク・秋広優人、上沢直之、上茶谷大河(左から)【写真:古川剛伊】

秋広&大江はリチャードとの2対1のトレードで加入

 リーグ連覇、そして日本一を成し遂げた2025年のソフトバンク。その原動力の一つとなったのが、的確かつ大胆な戦力補強だった。メジャー帰り、現役ドラフト、そして大型トレード。新たに加わった選手たちの1年を振り返ると、優勝チームの中にもくっきりと「明暗」が分かれた。

 最大の補強は、メジャー挑戦を経て日本球界へ復帰した上沢直之投手だ。開幕からローテーションを守り抜き、23試合に登板して12勝6敗、防御率2.74をマーク。有原航平投手、リバン・モイネロ投手、大関友久投手らとともに2桁勝利カルテットを形成した。特にシーズン終盤の勝負所で抜群の安定感を見せた。

 現役ドラフトでDeNAから加入した上茶谷大河投手は、先発ローテの一角を期待されたものの、春季キャンプ中に右肘のクリーニング手術を受けるアクシデントに見舞われた。それでも懸命なリハビリを経て8月26日に1軍登録されると、主にビハインド場面でのリリーフとして8試合に登板。来季への復調を予感させてシーズンを終えた。

 また、巨人からトレードで加入した左腕・大江竜聖投手も、ワンポイントやショートリリーフとして16試合に登板。防御率1.53のハイレベルな投球を続け、シーズン途中加入ながら、ブルペンになくてはならない存在となった。

 一方で、常勝軍団の厚い選手層と不運に阻まれ、涙を飲んだ者もいる。DeNAからトレードで加入した浜口遥大投手は、先発ローテの一角を期待されたが、黄色靭帯骨化症の発症による腰の手術と、左肘の手術を受けるなど、度重なる試練が襲った。満足な投球ができぬまま1軍登板はなく、オフに戦力外通告を受け、2025年シーズン限りでの現役引退を決断した。

 そして、ファンの期待が最も大きかった巨人からトレード加入した秋広優人内野手だ。柳田悠岐外野手や近藤健介外野手の相次ぐ故障離脱時、その穴埋めを期待されたが、22試合で1本塁打4打点、打率.208。7月3日に登録抹消されると、その後は2軍でシーズンを終え、大器の片鱗を示すことはできなかった。悔しさをバネに、来季の覚醒が待たれる。

(Full-Count編集部)

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