エ軍レンドンが事実上の退団 383億円契約も…稼働率3割未満、“不良債権”の象徴に

エンゼルスのアンソニー・レンドン【写真:ロイター】
エンゼルスのアンソニー・レンドン【写真:ロイター】

「野球は自分の優先順位のトップではない」「単なる仕事だ」

 ついに関係性が終わりを迎えた。エンゼルスのアンソニー・レンドン内野手が事実上の退団に合意したと30日(日本時間31日)、米スポーツメディア「ジ・アスレチック」のサム・ブラム記者が報じた。7年総額2億4500万ドル(約383億2000万円)の巨額契約は、通算22本塁打、WAR3.9と完全な失敗に終わった。

 レンドンはナショナルズ時代に球界屈指の大型三塁手として活躍し、2019年には126打点、OPS1.010の好成績を残した上、ポストシーズンでも躍動。球団初の世界一に貢献し、最高のタイミングで2020年からエンゼルスに加入した。コロナ禍での1年目は出塁率.418、OPS.915とさすがの成績を残したが、以降は急速に光りが消えていく。

 2021年以降は怪我の連鎖が止まらず、股関節、手首、脛、ハムストリングと、身体のあらゆる箇所が悲鳴を上げた。2025年は腰の故障で1試合も出場することなくシーズン終了。6年間での出場試合数はわずか257試合。稼働率は実に29.7%とまともにプレーすることができなかった。

 また、ブラム記者はレンドンの態度も指摘する。ナショナルズ時代から「野球は(見るのが)退屈なスポーツ」とうそぶいていたが、「野球は自分の優先順位のトップではない」「単なる仕事だ」と話し、メディアから健康状態についてきかれた際も「今日は英語が話せない」などして“逃げる”場面があった。

 レンドンの来季年俸は3800万ドル(約59億4400万円)にあたるが、今回の“事実上の退団”となってもエンゼルスには支払い義務が生じる。ブラム記者によると3~5年をかけて分割支払いになるという。また、「形式的に2026年のエンゼルスのロースターに残り、スプリングトレーニング初日に60日間ILに入れられることが濃厚だ。実際にどう(契約を)組み立て直すのか不明だが、この措置をとることによってアナハイムでチームに帯同するのではなく、故郷ヒューストンに残ることができる」と皮肉を交えて伝えている。

 これまでも“球界最悪の不良債権”と言われてきたレンドン。エンゼルス在籍期間では、チームは一度も勝率5割を上回ることなく、また巨額契約によって補強にも影響を与えるなど、負の象徴となったのは否めない。“正三塁手”が消えたことで、果たしてエンゼルスは誰を据えるのだろうか。

(Full-Count編集部)

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