大谷翔平の英語スピーチ、プロ通訳の“リアルな評価” 注目した所作…気づいた確かな違い

スピーチを行い、場内のビジョンに映し出されるドジャース・大谷翔平【写真:編集部】
スピーチを行い、場内のビジョンに映し出されるドジャース・大谷翔平【写真:編集部】

会場での英語スピーチは3度目、回を追うごとに増す聴衆への意識

 ドジャースの大谷翔平投手は24日(日本時間25日)、全米野球記者協会(BBWAA)のニューヨーク支部が主催する「夕食会」に出席した。登壇時には“英語オンリー”のスピーチを2分半近くに渡り行い、SNS上では流暢さと粋な内容から絶賛の声が広がった。では、大谷のスピーチはプロにはどう映ったのか――。30年以上に渡り通訳、翻訳業に従事し日米野球やWBCといった舞台でも仕事経験があるプロの通訳にリアルな感想を聞いた。

 過去3度(2019年1月、2024年1月、2026年1月)のスピーチを比較すると、同氏はまず大谷の口調から「自信を持って話している感が強くなった」と強調。回を追うごとに間の取り方などが上手になり、落ち着きが増しているという。「以前より、特に2019年と比べて、ハッキリと聞き取りやすくなっている」と説明した。

 発音一つ取ってみても、成長の証が表れていた。3度の登壇で共通して出てくる単語に「event」があり、過去と比較するとアクセントの位置が矯正され、聞き取りやすさが増した。また、「BBWAA」についても、過去の「ダブル」から改善されたとしており、「ゆっくり発音したことが奏功しているのでは」と論じた。

 英語そのものだけではなく、同氏は大谷の“動作”の側面にも注目した。2019年の時は10数回だった「目線を上げる」回数が、2024年には倍となっており、この時点で「周りを見ながら話そうと意識した努力が見て取れた」としている。そして24日(同25日)のスピーチでは、その回数は50回弱に。「その場にいる人たちにゆっくりと語りかけている感じが強くなった」と称賛した。

 さらには、視線を変える動作についても、大きな変化が見られた。「話すときの姿勢が、以前よりもまっすぐ立っている印象。(セリフの)確認で視線を落とすときも、首を前に傾けるのではなく、目線だけが下に行くような感じで、頭の動きが少なくなっている」。

 大谷のスピーチを総括する上で、「発音」「間」「動作」の違いがあったとしており、その変化の“根底”には英語で意思表示をすることにおける自信が見て取れるとした。「『自分の英語が通じている』という実感を、より深めたのではないか」と分析した。

 自らの思いを英語で表現し、聴衆が理解できるような気遣いを意識するまでの“心の余裕”。そしてMVPを獲るに相応しい品格が、大谷のスピーチには反映されていた。

(板垣智也 / Tomoya Itagaki)

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