“野球のため”で…難関国家資格を突破 現役プロで異例中の異例、描く次なる野望

楽天・津留崎大成【写真:荒川祐史】
楽天・津留崎大成【写真:荒川祐史】

7年目・津留崎大成投手が令和7年度の宅建試験に合格…合格率18.7%

 楽天の7年目右腕・津留崎大成投手が連日、チームが春季キャンプを張る沖縄県金武町で1軍定着に向け汗を流している。一方で津留崎といえば、昨年10月に受けた令和7年度の「宅地建物取引士試験」に2度目の受験で合格し話題となった。シーズンの半分が遠征という生活の中で、現役のプロ野球選手がどのように勉強時間を捻出し、難関試験にパスしたのか。その時間管理術を語ってもらった。

 まずこの「宅建」という資格試験だが、法律系、不動産系の資格試験として近年は30万人以上が出願をする日本最大級の国家試験となっている。津留崎が受験した昨年度の出願者は30万6099人、うち実際の受験者が24万5462人(80.2%)で合格者は4万5621人(18.7%)だった。

 出題は宅建業法、民法、法令制限、税法などから4択の50問が出題され、2時間の試験時間内に全200ある選択肢を読まなければいけない。難問の多かった昨年の合格点は例年より低い「33点」。津留崎は「自己採点は39点でした。(4つの選択肢の正誤を判断する)個数問題がめっちゃ出て、例えば宅建業法では教材にも一切出ていない選択肢がひとつありました」と苦笑いを浮かべた。

 通常、法律系資格の登竜門である宅建試験の合格には300~400時間の学習時間が必要とされるが、現役のプロ野球選手である津留崎はどのようにその時間を捻出していたのだろうか。

「例えば遠征先ではチームバスの出発時間が午後2時とかじゃないですか。前の晩、試合が終わって、トレーニングをして深夜の12時頃に宿舎に帰ってくる。そして、7時間半寝て朝の9時ぐらいに起きる。そうすると、そこから出発の2時までは5時間ぐらいの自分の時間があるんですよ。その中で散歩とちょっと勉強もしようかなと。ついでに野球の整理もできるので、その時間をセットで考えてサイクルにしました」

 こう語る津留崎は、シーズン中のオフ時間の使い方について「外食をしたり映画を観るとか、いろんなリフレッシュ方法があると思うんですけど、僕はそこで勉強しようかなと思っただけです。移動中や球場で教材を開くことはないです。シーズン中は毎日1~2時間少しづつ勉強して、オフの日は半日ぐらいやっていましたね。散歩がてら外に出て、カフェとかでやっていることが多かったですね」という。

 そして、この勉強時間が津留崎の中では野球を頭の中で整理する重要な時間にもなっていた。「僕はデータとかも好きなので、勉強中に野球のデータとかも見ながら、野球を考える時間も増えるので結構いいかなと思う。野球には一切支障がないので」と津留崎。宅建受験はセカンドキャリアを考えたものではなく、あくまで野球の合間のリフレッシュのためだという。

 キャンプでは1軍定着のため野球で試行錯誤を繰り返している右腕だが「今は何もしていないんですけど、勉強するのは面白いので、フィナンシャル・プランナーを取るか、別の不動産系の資格を取るかこれから考えたい」とリフレッシュのための新たなターゲットを探している。

(伊藤順一 / Junichi Ito)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY