中日ドラ1に専門家が同情 正当な評価は時期尚早…ドラ2と対照的だった“初実戦”

「普段はこんなに制球を乱す投手ではないんです」
中日で今年即戦力として期待されているのが、ドラフト1位ルーキーの中西聖輝投手(青学大)と同2位の櫻井頼之介投手(東北福祉大)だ。両右腕は沖縄・北谷町での1軍キャンプに参加中。10日にはそろってシート打撃に登板したが明暗を分ける形となった。
この日は現役時代にヤクルト、阪神など4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が北谷キャンプを訪れ、シート打撃を視察した。その目の前で、プロ入り後初の実戦形式のマウンドに上がった中西は、先頭のドラフト5位・新保茉良(しんぽ・まお)内野手(東北福祉大)、次打者の辻本倫太郎内野手に連続四球を与えてしまった。
野口氏は「私は、中西をアマチュア時代から見てきた関係者から『普段はこんなに制球を乱す投手ではないんです』という話を聞きながらシート打撃を見ていました」と語り、「ルーキーにとってキャンプインから10日目のこの時期、体がしんどいのは間違いない。疲労はマックスだったでしょう。さらにプロで初めての実戦形式ですから、味方の選手が相手とはいえ、緊張感も相当だったはず。疲労や緊張感が抜けた時のピッチングを見てみたいですし、評価はその時に下せばいいと思います」と同情した。
中西はその後、落ち着いて3人の打者を打ち取った。現役ドラフトでDeNAから移籍した知野直人内野手を見逃し三振に仕留めるシーンもあった。野口氏は「体格がいいですし(182センチ、92キロ)、球に力がありそう」と語り、先発ローテ候補に挙げる。
「今年の中日の先発ローテは、高橋宏斗(投手)、大野(雄大投手)、金丸(夢斗投手)の3人が確定的。残りの枠をめぐって、(カイル・)マラー(投手)、柳(裕也投手)、涌井(秀章投手)、松葉(貴大投手)らの争いに、中西がいかに割って入っていけるか」と見ている。

夏の甲子園で全国制覇、明治神宮大会でも連覇した実績
一方、櫻井は打者6人に投球し1安打。田中幹也内野手の左肘のエルボーガードを直撃する死球もあったが、ドラフト6位ルーキーの花田旭外野手(東洋大)、実績のある福永裕基内野手から変化球で空振り三振を奪った。6日のライブBPに登板した時は制球を乱していたが、修正のあとを見せた。
野口氏は「修正力を含めて、器用なタイプという印象を受けました。先発でもリリーフでもこなせそうです」と評価。「セットアッパーの清水(達也投手=昨季55試合4勝1敗4セーブ30ホールド)が昨季終盤に腰を痛めた影響で出遅れているので、そこをカバーする1人になるかもしれません」と予想する。
中西も櫻井も、アマチュア時代の実績は抜群だ。中西は智弁和歌山高3年の夏にチームを全国制覇へ導き、青学大でも一昨年と昨年の明治神宮大会で大会連覇に貢献した。櫻井は東北福祉大4年の昨年、全日本大学野球選手権で優勝し、自身も最優秀投手に輝いている。中日の投手陣はレベルが高いが、ドラフト1・2位コンビは、十分競争の輪に入っていけるポテンシャルを秘めている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)