【現地レポート】村上宗隆は「一日中ここにいようとする」 首脳陣から聞こえてきた“評判”…一塁適性は?

屋外で初めてフリー打撃、130メートル弾に漏れた「Wow」
圧巻のアーチショーとなった。ホワイトソックスの村上宗隆内野手は10日(日本時間11日)、アリゾナ州グレンデールのキャンプ施設で屋外で初めてフリー打撃。29スイングで推定130メートル弾を含む8本の柵越えを記録し、首脳陣を沸かせた。
アリゾナの青空に乾いた快音が響く。村上が軽く振った打球は左越えへグングンと伸びていった。移籍後初披露となったフリー打撃で、NPB通算245本塁打を放ったパワーを見せつけた。
過去のスタイルにとらわれない。ヤクルト時代は右足を上げてタイミングを取っていたが、移籍後はノーステップに。テークバックの小さいメジャー投手に対応するため新たな打ち方に着手している。この日のフリー打撃では、バックスクリーン左へ飛ばすなど全方向へ柵越えを記録。最後の引っ張ったスイングでは右越えへ推定130メートル弾をかっ飛ばした。打撃ゲージ裏で見ていた首脳陣から「Wow」と声が漏れた。
周囲の評価は上々だった。ウィル・ベナブル監督の囲み取材では、米メディアから1問目に「MURAKAMI」の質問が飛んだ。メジャー通算81本塁打を放った43歳の指揮官は絶賛だった。

「イージーパワー? ええ、間違いなくそうですね。あれが彼の持ち味。とてもパワフルなスイングをしている。ここでプログラムに取り組み、試合で彼がやるべきことをやる姿を見るのが本当に楽しみだ」
ベナブル監督はクラブハウスで交流を図ったようだ。「彼とも話すことができた。本当に人当たりのいい選手で、クラブハウスで素晴らしい存在になると思う。間違いなく影響力のある選手になるでしょう。フィールド内外で彼を迎えられることをとても楽しみにしている」。
キャンプ施設のクラブハウスで、村上はロッカー2人分を占有。山本由伸投手からサポートを依頼された元ドジャースのミゲル・バルガス内野手とは八木賢造通訳を挟んで隣となった。

大谷翔平の元指揮官・ネビン氏も賛辞「特別な技術を持っている」
2023年までエンゼルス監督として大谷翔平投手(現ドジャース)を指揮したフィル・ネビン選手育成特別補佐も、フリー打撃を見守った。「間違いなく強い打球を打てる選手だ。ボールがどんどん伸びていくような特別な技術を持っている。打撃の技術は本物だ」と賛辞の言葉を並べた。
打撃練習後、ネビン氏は一塁の守備練習でアドバイスを送った。村上を「ムーニー」と呼んでいるという。「練習するにつれて、どんどん落ち着いてきた。一番大事なのは足の使い方。(本職の)三塁とは全く違うし、角度も違う。ただ、非常に優れたアスリートなので、両方のポジションを問題なくやれると思う」と太鼓判を押した。
「彼は一日中ここにいようとする。だから『もう終わりだ』と言わなければいけない。もっとうまくなりたい、偉大な選手になりたいと思っているのは、練習態度を見れば、すぐにわかる」。26歳の人間性にも目を細めた。
フリー打撃、守備練習とこなしてベースランニング。最後は屋内でのティー打撃で練習を終えた。野手組のキャンプインは15日(同16日)となっているが、キャンプさながらの練習メニューだった。
侍ジャパンの主軸打者と期待されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でチームを離れるため、アジャストする時間は決して長くない。それでも村上からは一日一日を懸命に過ごす姿が見えた。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)