楽天モバイル立ち上げ→異色の転身「何でもやる」 野球未経験も…村上支える32歳通訳の素顔

八木賢造さんが村上宗隆の通訳を務める「通訳を探しているという話を聞き」
ホワイトソックスでメジャー1年目に臨むのは村上宗隆内野手だけではない。八木賢造さんは通算246本塁打を放った26歳の通訳としてメジャーに飛び込んだ。
京都・宇治市出身の32歳。立命館宇治高、立命大を経て楽天に入社し、楽天市場でEコマースのコンサルティング業務や楽天モバイルの事業立ち上げに携わった。順風満帆な社会人生活だったが、昨年秋、楽天から野球業界の仕事に転職した知人の紹介で一念発起した。
「社会人10年目という節目を迎えたタイミングでした。ちょうど村上選手がメジャーを目指されるということで通訳を探しているという話を聞き、新しい世界に飛び込んでみるのもありかなと思い、挑戦を決意しました」
昨年11月の後半から12月にかけて村上の代理人事務所と複数回の面接。「12月初旬に村上選手ご本人と30分ほどお話しさせていただきました。自分がやりたい思いを伝えて、村上選手からも『一緒に頑張っていけたら』と。どういう理由で私を選んでいただいたのかは、ご本人に聞かないと分かりませんが(笑)」。村上と共にホワイトソックス移籍が決まった。
野球経験は全くなく、「幼少期からずっとテニス一筋でした」。メーカーに務める父親が仕事の影響で5歳から12歳までアリゾナ州で生活。「野球を見るのは好きで、ダイヤモンドバックスが大好きでした。他のプロスポーツも見るのが好きで、ESPNのスポーツセンター(番組)もよく見てました」。アリゾナで語学力を習得した。ただ、メジャーの現場では日頃聞きなれない専門用語も飛び交う。
「やはり用語は違うので勉強しています。村上選手とはもちろんチームメートとコミュニケーションを取りつつ、自分の幅を広げていきたいと思っています」。その表情には充実感が漂う。
昨年までヤクルトの人気選手だった村上を支える八木通訳だが、実は巨人ファンだという。「高橋由伸さんのファンでした(笑)。ヤクルトの試合を正直そんなに見ていなくて」と苦笑いを浮かべる。それでも、胸に秘める思いは熱い。
「村上選手がベストなパフォーマンスを発揮できるように、そのために必要なことは何でもやるつもりです。全力でサポートしていきたいと思っています」。32歳は言葉に力を込めた。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)