コーチより「選手は聞く耳持つ」 侍J・金子ヘッド苦笑いも…感嘆する“ダルビッシュが慕われる必然性”
「侍ジャパン」の宮崎合宿にアドバイザーとして参加するダルビッシュ有【写真:小林靖】ピッチクロック、ピッチコムの指南役としてうってつけ
3月5日開幕のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で大会連覇を狙う野球日本代表「侍ジャパン」。2月14日から始まった宮崎合宿で、監督・コーチ・選手以上に存在感を放っているのが、アドバイザーとして参加しているダルビッシュ有投手(パドレス)だ。その姿を、現役時代に日本ハムのチームメートとして同じ釜の飯を食った金子誠ヘッドコーチが感慨深げに見つめている。
実は、ピッチクロックの導入は投手だけの問題ではない。投手がボールを受け取ってから、走者なしの場合は15秒以内、走者がいる場合は18秒以内に投球動作を開始しなければならないルールだが、源田壮亮内野手(西武)は「実際には、たとえば相手打者を外野フライに打ち取った場合、外野手からの返球を内野手が受け取った時点でピッチクロックのカウントダウンが始まってしまうと聞いています。だから、フライを処理した外野手はなるべく長くボールを持っていようとか、いろいろ考えているところです」と語る。野手の間でも戸惑いは小さくないのだ。
金子ヘッドのつぶやき「雰囲気が変わりましたよね……」
ダルビッシュは、そこにも気を配っている。金子ヘッドは「ダルビッシュから『野手の方で困っていることはないですか?』と問いかけをもらいました。『言葉で言うより、僕が具体的にやって見せましょうか?』とまで言ってくれます。せっかくだから、野手の練習にも入ってもらおうという話になっています」と明かす。まさに想定以上、八面六臂の働きぶりである。
「ダルビッシュがメジャーへ移籍した後、日本ハムがアリゾナで春季キャンプを張った時(2016〜19年)には、毎年あいさつに来てくれて、その時点で『時って、こんなに人を変えるものなのか』と思いました」と振り返る。
ダルビッシュの手術後も「井端監督の口からは名前が継続的に出ていた」
ダルビッシュは3年前の前回WBCでも、MLB所属選手ではただ1人、宮崎合宿からチームに合流。今回同様、若い投手たちにアドバイスを送り、コミュニケーションを密に取ってチームの結束にも大きな役割を果たした。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

