最強・米国の寝首をかく「想像もできない」野球 ブラジル代表に見えた“野村克也の影”【マイ・メジャー・ノート】
会見に臨んだブラジル代表の松元ユウイチ監督(右)と米国代表のアーロン・ジャッジ【写真:木崎英夫】米国代表の会見後、多数のメディアが退いた寂しい会場でブラジル代表の会見
野球の世界一を決める第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド、米国テキサス州ヒューストンで行われるプールB(アメリカ、イギリス、イタリア、メキシコ、ブラジル)の5チームが開幕を翌日に控えた5日(日本時間6日)、会場となるダイキン・パークで会見を行った。
今大会一番の戦力を誇るアメリカに続いて会見を行ったのは、ブラジルだった。多くのメディアが退き満員だった会見場が一気に寂しくなったが、西武に所属するボー・タカハシ投手の屈託のない笑顔がその場を明るくした。同投手の横で、時々笑みを浮かべ頷きながら話に耳を傾けていたのが松元ユウイチ監督である。終始穏やかな雰囲気で進行していった。
サンパウロ出身の松元監督は1999年にブラジルからの野球留学生としてヤクルト・スワローズに迎えられ、2002年に1軍に昇格。引退する2015年までヤクルト一筋でプレーした。引退後は、2軍の打撃コーチを経て、2020年から昨年まで高津政権を支え、今季からは池山監督の参謀役を務める。6日(同7日)の初戦で投打にスーパースターが居並ぶアメリカといきなりぶつかる。
松元監督は、渡米前にこう語っている。
「うちは失うものはないというか。向こうが勝つのは当たり前と見られている。こちらはもう攻めるしかないので。簡単には点は取れないから、どうやって出塁して、どうやって選手たちを動かすか。動かしますよ、そこは」
ヤクルト時代の野村克也監督【写真提供:産経新聞社】この言葉で思い浮かべたのが、名将・野村克也監督である。ヤクルトの監督だった1990年代、巨大な戦力を持つ巨人にどうやって勝つかを突き詰めデータと感性を徹頭徹尾戦術に生かした「弱者の野球」を標榜し、抜け目のないチームに育て上げたのは多くの野球ファンが知るところ。
松元監督「“イメージも想像もできないこと”を選手たちに伝えています」
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)