MLBスターだらけの中で輝く「中日」の文字 ドミニカ共和国代表で得る経験「信じがたいほど素晴らしい」

昨年12月に中日と契約を結んだばかりのアルベルト・アブレウ【写真:ロイター】昨年12月に中日と契約を結んだばかりのアルベルト・アブレウ【写真:ロイター】

2024年は西武の守護神として28セーブを記録、今季から中日でプレー

 メジャーを代表するスター選手がズラリと並び、“銀河系軍団”とも呼ばれる今大会のドミニカ共和国代表チーム。初戦のニカラグア戦こそ試合中盤まで硬さが目立ったが、最終的に12-3で圧勝すると、第2戦以降は圧倒的なチーム力で快進撃を続ける。

 12-1で7回コールド勝ちした8日(日本時間9日)のオランダ戦は、4発を含む8安打12得点という破壊力ある打線はもちろんだが、巧打者が揃うオランダ打線を1点に抑えた投手陣も光った。4回を3安打1失点だったルイス・セベリーノ投手からマウンドを継ぎ、2回を1安打4奪三振で無失点に斬ったのが、中日に所属する右腕アルベルト・アブレウだ。

 記念すべきWBC初登板を終えた後で話を聞くと、「最高だったよ。いつかWBCで投げてみたいと夢見ていたから、高ぶる思いもあったけれど、自分を信じて結果を残せたことは信じがたいほど素晴らしい」と興奮冷めやらぬ様子。「一生忘れない思い出になると思う」と目を輝かせた。
 
 昨年12月に契約を結んだばかり。中日ファンにはまだなじみが薄いかもしれないが、2024年には「アルバート・アブレイユ」の登録名で西武の守護神として28セーブを挙げた。188センチの長身を生かしながら投げる球は155キロに達するほどで、タイミングの取りづらい投球術が売りでもある。

 とはいえ、サンディ・アルカンタラ(マーリンズ)、クリストファー・サンチェス(フィリーズ)、ルイス・セベリーノ(アスレチックス)……と誰もが知る名前が並ぶ中、なぜアブレウは代表メンバー入りしたのだろうか。それは、毎冬になると参加するドミニカ共和国でのウインターリーグによる影響が大きいのではないかと自身は分析する。

 アブレウが所属するのは、首都サントドミンゴにある強豪のティグレス・デル・リセイ。本拠地球場をともにするレオネス・デル・コヒードも同じく強いチームだ。両者の関係は、仁義なきライバル。直接対決ともなれば、チケットが飛ぶように売れてしまうほどの大人気。そこでいいパフォーマンスを披露できれば、ドミニカ共和国内での評価は高まるというわけだ。

オランダ戦で快投したルイス・セベリーノ【写真:ロイター】オランダ戦で快投したルイス・セベリーノ【写真:ロイター】

 スター選手に決して気後れしないところもいい。クラブハウスで周りを見渡すと数えきれないほどのスター選手が居並ぶが、「同じマウンドに上がって、一緒に戦いながら何かを学べる環境が、大好きでたまらない」という。同じチームに呼ばれた仲間なのだから、そこに遠慮や謙遜は必要ない。
 
 日本は早々にプールCの1位通過を決めた。ドミニカ共和国も1次ラウンド突破は確実視されている。どちらも勝ち上がれば、準々決勝か準決勝での対戦が実現。「日本の試合はハイライトでしか追っていないけれど、かなりいいチームのようだね。でも、僕らがこのチームにかける信頼は厚い」と一歩も譲らないつもりだ。

 初出場となったWBCで何を学び、どんな成長のきっかけを掴むのか。中日ファンならずとも、シーズン開幕後のアブレウには注目だ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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