4戦全敗でも…チェコ代表の貫いた敬意 最終戦で広がった光景、スポーツマンシップを超えた感動

チェコ代表【写真:荒川祐史】
チェコ代表【写真:荒川祐史】

サトリアが代表引退…4戦5得点39失点で4連敗

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は10日、東京ドームの1次ラウンド・プールCの全日程が終了した。2023年に続き本戦出場を果たしたチェコ代表は4戦全敗で涙を呑んだ。それでも、今大会でもスポーツマンシップを貫き、日本戦では感動の光景が広がった。

 チェコ代表は5日に韓国代表との初戦を迎えた。初回先頭のミラン・プロコプ内野手は、打席に入る直前に相手捕手と球審と握手を交わし、“礼”からWBCがスタートした。試合には4-11で敗戦。それでも、整列時はファンの声援に応え、チェコらしい振る舞いを見せた。

 敗戦から約14時間後にはオーストラリアとの2戦目に臨んだ。2回に先制するも、直後に痛恨の3ラン。勝利の可能性を感じさせるプレーを何度も披露したが、1-5で惜敗。チェコナインの悔しそうな表情が印象的だった。一転してチャイニーズ・タイペイ戦は0-14の大敗。茫然自失とし、目は涙を浮かべる選手もいた。彼らの“本気”の思いが伝わってきた。

 3連敗でグループリーグ敗退が早々に決まった。最後に迎えたのが、侍ジャパンとの大一番だった。前回大会で大谷翔平投手から空振り三振を奪ったオンジェイ・サトリア投手が先発。130キロに満たない直球とチェンジアップを軸に凡打の山を築き、5回途中無失点の好投を見せた。今回限りでの代表引退を表明しており、降板時には指揮官とナインとハグ。そして、場内のファンは総立ちでその雄姿を見届け、万雷の拍手が起こった。

 7回まで0-0の好ゲームは、8回に守備の乱れで先制を許すと、リリーフ陣の大乱調で一挙9失点と決壊した。しかし試合後、チェコナインを待っていたのは、やはり温かい拍手だった。侍ナインに向かって拍手でエールを送り、脱帽。最後にサトリアはフィールドで一人残り、その光景を噛み締めるように目に涙を浮かべた。

 米放送局「FOXスポーツ」のベン・バーランダー氏が「日本の野球ファンは史上最高だ」と感動したスポーツマンシップが具現化された瞬間。チェコ代表は結果的に0勝4敗で大会を去ることになった。しかし、今大会も“グッドルーザー”としてファンの心にその姿は深く刻まれた。礼に始まり、礼に終わる。今後の躍進を感じさせるには十分だった。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND