敵の名将が驚嘆「あのピッチャーはどこの球団?」 オリ助っ人の衝撃…異国で覚醒「日本に来たおかげ」

  • 佐藤直子 2026.03.13
  • 海外
ベネズエラ代表のアンドレス・マチャド【写真:アフロ】ベネズエラ代表のアンドレス・マチャド【写真:アフロ】

2大会連続2度目のWBC出場…1次ラウンドでは3戦無失点

 13日(日本時間14日)から準々決勝を迎える2026 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。1次ラウンドのプールCを1位通過した野球日本代表「侍ジャパン」は14日(同15日)、同プールD2位のベネズエラと対戦する。ドミニカ共和国と双璧をなす中米の強豪国は、ただでさえ厄介な対戦相手だが、今大会はチーム内に強力な“スカウト役”がいる。

「対戦した経験のある打者については、カギになりそうなことをチーム全体に共有したいと思う。もちろん、専門のスカウトがレポートをまとめてくれたので、日本についてスタッツや数字などの情報はかなり量が集まっている。だが、何よりも役立つのは実際の対戦経験だと思うから、みんなに情報共有をしたい」

 そう話す声の主は、ベネズエラ代表に名を連ねる右腕アンドレス・マチャド投手だ。

 2024年からオリックスでプレーし、今年で3年目。前回の2023年大会に続いてベネズエラ代表入りし、胸に「VENEZUELA」の文字が浮かぶユニホームを身につけ、祖国の栄誉を懸けた戦いに臨んでいる。1次リーグでは全4戦のうち3戦に登板し、いまだに無失点を続ける。

名伯楽も驚き「あれだけの球を投げるんだったら、そう長く日本にいないだろう」

 迫力のある最速98.9マイル(約158.2キロ)のストレートを軸に、ツーシーム、スライダー、チェンジアップで打者の視線やタイミングをずらす。面白いようにバットを振らせる姿に、ニカラグアを率いる名将、ダスティ・ベイカー監督も「あのピッチャーはどこの球団にいるんだって聞いたら、日本で投げてるっていうじゃないか」と驚嘆。「あれだけの球を投げるんだったら、そう長く日本にいないだろう」と、早期のメジャー復帰を予言した。

 オリックス入りする前は、実はノーコン投手だったという。「あの頃は球速だけは出るけれど、ストライクは全然入らなかった。荒れ球が多くて、まとまりのないピッチングをしていたんだ」と振り返る。

「こうしてまた代表チームに選ばれたり、ましてやベイカー監督のような人に評価してもらったり、ここまで成長できた。日本に来たおかげで投手として大きく生まれ変わった。ピッチングの基本を教えてもらったことが良かったと思う」

 オリックス入りした2024年は53試合で23セーブ14ホールド、防御率は2.03の好成績で、2025年は58試合で28セーブ9ホールド、防御率は2.28。ボールは荒れるどころか、ストライクゾーン低めにきっちりと決まる。

オリックスで3年目を迎えたアンドレス・マチャド【写真:加治屋友輝】オリックスで3年目を迎えたアンドレス・マチャド【写真:加治屋友輝】

「最も大切にしているのは、ストライクゾーンの中にきっちりと投げきること。いい球を持っていても、ストライクゾーンに投げられなければ意味がない。技術とメンタルの両面からコーチにアドバイスをもらいながら、まずはゾーンの中に投げること、ゾーン内の狙ったところに投げること、そしてゾーンの中だけで勝負できるように精度を上げていったんだ」

 現役時代は捕手だった中島聡前監督、元投手コーチの岸田護現監督から受けた技術とメンタル両面のアドバイスに耳を傾け、実戦した。仲間の投手たちがマウンド上で力みすぎず、適度に力の抜けたフォームで投げることにも注目。プラスになりそうなことを吸収した結果、オリックスでは欠かせない戦力になると同時に、ベネズエラ代表でも頼れるリリーバーとして信頼を集める。

 準々決勝で対戦する侍ジャパンには、オリックスのチームメートも多い。「ミヤギ、ソタニ、ワカツキもいる。実際に対戦できるのはワカツキしかいないかもしれないけど、対戦が楽しみだ」とニヤリ。「日本との一戦は間違いなくいい試合になるはず。まずは日本に勝って、初優勝を飾れたら最高だ。WBCで優勝した流れをオリックスに持って帰り、オリックスでも優勝したいね」と高らかに宣言した。

 悲願のWBC優勝を果たすには、まずは目の前の日本戦に勝利するのみ。オリックスでの2年間で蓄積した対戦データを提供し、日本打線を丸裸にしていく。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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