単身で異国挑戦…美女チアが戸惑った“文化の違い” 厳格だった巨人とのギャップ

「Passion Sisters」で活動する菊池桃子さん【写真:上野明洸】
「Passion Sisters」で活動する菊池桃子さん【写真:上野明洸】

元巨人チア・菊池桃子さんが台湾で新たな挑戦

 台湾プロ野球・中信兄弟のチアリーディングチーム「Passion Sisters(パッションシスターズ)」として活躍する菊池桃子さんは、2023年まで巨人の「VENUS(ヴィーナス)」として活動した。単身で台湾球界へ飛び込んで2025年にデビュー。台湾ならではの文化をひしひしと感じた1年だった。

 異国の地に飛び込む決断に迷いはなかった。「不安よりも先に、やりたい気持ちが出てくる性格なんです」。しかし、立ちはだかったのは言語の壁だった。中国語のレッスンを受ける中で、チームのマネジャーから「全然、中国語成長しないわね」と厳しく叱られることも。それでも、自分が選んだ異国でのチャレンジ。折れることなくしがみついた。

 中国語上達のコツは、メンバーとの日常会話だった。練習で顔を合わせる前に「今日はこの人と話そう」と決め、必要な単語を調べてから積極的にコミュニケーションを図った。「少し話せるようになるだけで、凄く褒めてくれるんです」。その反応が、モチベーションだった。

 練習面では、日本と台湾の違いに驚いた。ヴィーナスでは、巨人軍と同様に時間や礼儀作法は徹底されている。「話を聞く姿勢や練習態度なども厳さがあり、部活動みたいな雰囲気でした」。一方、台湾では常識が大きく異なっていた。

「休憩時間ではないのに食事を始めたり、指示がなくても座って『休める時に休むんだよ』とメンバーから言われたりします。動画で動きを確認する時も、体育座りではなく、寝転がりながら見ることもあります」。自由なスタイルに、最初は戸惑いを隠せなかった。

応援スタイルやチアの人気度も日本とは大きな違い

 台湾では、日本に比べチアの人気度は大きく違う。俳優業やモデル業など、複数の仕事を兼ねるメンバーも多い。パッションシスターズのチュンチュンや、ドラゴンビューティーズ(味全ドラゴンズ)のリン・シャンは、海外でも写真集を出すほどの人気ぶりだ。日本に比べ全員が揃って練習できる時間は限られており、時間を有効に使うための工夫が自然と求められる環境になっている。

 また、応援スタイルも大きく異なる。日本では、チアは試合前やイニング間に観客を楽しませる存在として位置づけられてきた。一方で、台湾ではチアも観客の一員として試合に参加。スタンドでともに声を上げ、ダンスを踊りながらチームを後押しする。チアとファン、選手の距離が近いのが特徴だ。

 応援は内野席に設置されたステージで行う。味方が守備の時間帯には観客の目の前の席に座って観戦することもあり、コミュニケーションをとることもある。「距離が近い分、心の距離も近いと感じます」。新たな環境で、異なる文化や価値観に触れた1年。「将来は日本と台湾をつなぐ、架け橋のような存在になれたら」。2つの国でチアを経験した彼女だからこそ、できることがある。

(岡部直樹 / Naoki Okabe)

RECOMMEND