甲子園で息子2人の共闘に「まさか」 双子が父への恩返し、800km離れた強豪を選んだワケ

24日の滋賀学園戦に出場した八戸学院光星・新谷翔磨(左)と契夏兄弟【写真:加治屋友輝】
24日の滋賀学園戦に出場した八戸学院光星・新谷翔磨(左)と契夏兄弟【写真:加治屋友輝】

スタンドの父へ贈る恩返し「かっこいい姿を見せたい」

 甲子園出場は、双子の夢でもあり家族の夢でもあった。第98回選抜高校野球大会は24日に大会第6日が行われ、第3試合で八戸学院光星(青森)が滋賀学園を5-4で下した。勝利に貢献したのが、双子の選手として注目された“新谷兄弟”だ。

 兄の契夏(せつな)外野手(3年)は「5番・右翼」、弟の翔磨外野手(3年)は「3番・左翼」でそれぞれ先発出場した。翔磨は初回2死、フルカウントから二塁への内野安打で出塁。契夏は2回2死二塁から4球目のカーブを、上手く左翼線に運び、勝ち越しの適時打となった。「契夏はチームでも1番打っていて、頼りになる存在。(自分が)打てなくても契夏が打ってくれればいい」と、翔磨は“兄”の存在の大きさを明かす。

 今でこそ名門校を牽引する新谷ツインズ。元々は別々の高校に進学し、甲子園で戦う話もあったという。それでも2人が選んだのは、地元の石川県から約800キロ離れた八戸学院光星だった。「小学校、中学校とずっと戦ってきたから一緒にいると心強い。結果が出なくても、自分たちで教えあったり何でもできる」と契夏は語る。そして、「甲子園に一緒に出るのが夢でもあり目標で、出られる可能性が高い」というのも理由に挙げた。

 スタンドから見守っていた父親も「双子で出場して恩返しすると言ってくれた。まさか本当に2人で出てくれるなんて夢のようです」と喜びを噛みしめていた。翔磨も「契夏と一緒に出られてすごく嬉しい。お父さんにもかっこい姿を見せたい」と笑顔を見せる。

 小さい頃から切磋琢磨し続けてきた2人。「野球でも遊びでも、常に一緒にいますが、喧嘩もいっぱいしました。今はすごく仲がいいです」と笑みがこぼれる。学校帰りに2人でバッティングセンターに通い、アドバイスをしあうことも日常だった。最高の仲間として互いを高め合っている。

 憧れのグラウンドで、新谷ツインズの夢はまだ終わらない。お互いを知り尽くした阿吽の呼吸と、野球人生で築き上げた絆。最強の双子が牽引する八戸学院光星の快進撃は続く。

(岡部直樹 / Naoki Okabe)

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