大谷翔平のCY賞確率は「10%」 ド軍現場で聞こえるシビアな回答…求められる2つの数字の“目安値”

3年ぶりに投打の二刀流として開幕を迎える大谷翔平【写真:荒川祐史】3年ぶりに投打の二刀流として開幕を迎える大谷翔平【写真:荒川祐史】

投手・大谷翔平は4月1日のガーディアンズ戦で今季初マウンドを迎える

 ドジャース・大谷翔平投手は今季、サイ・ヤング賞を受賞できるのか――。二刀流の完全復活が期待される2026年シーズンは開幕5戦目、31日(日本時間4月1日)の本拠地・ガーディアンズ戦で今季初登板初先発する。3年ぶりに投打の二刀流として開幕を迎える右腕には、日本人初受賞を期待する声が高まっている。

 投手・大谷の進化は目覚ましい。24日(同25日)のエンゼルスとのオープン戦は、まさに圧巻の内容だった。6者連続を含む11奪三振。12アウトのうち11アウトを三振で奪う力投。オープン戦は2試合に登板して1勝1敗、防御率3.24をマーク。計8回1/3を投げて15奪三振、奪三振率16.20と投球内容は凄まじかった。

 昨年6月に右肘靱帯手術から2年ぶりに復帰。公式戦でリハビリするという異例の調整ながら14登板で1勝1敗、防御率2.87。投球の中身を大きく向上させ、メジャー自己最速101.7マイル(約163.7キロ)を2度マーク。決め球もスイーパー、スプリットだけでなく、縦に変化するスライダー、カーブは三振を奪える球種に。相手打者からすれば、より球種を絞りにくくなった印象だ。

 スプリングトレーニングの取材対応では米メディアから「サイ・ヤング賞を獲るには」など投手最高栄誉に関する質問が多くぶつけられた。ホット・トピックとなっているが、「カルフォルニア・ポスト」のジャック・ハリス記者、「ジ・アスレチック」のファビアン・アルダヤ記者のドジャース番2人は、どう見ているのか。

「今年、ショウヘイ・オオタニがサイ・ヤング賞を獲得する確率は?」

 シンプルな問いかけにこう断言してくれた。  

 ハリス記者「10%程度だと思います」

 アルダヤ記者「受賞する確率という点では、10%程度ではないかと考えています」

 ここ最近の報道の盛り上がりを考えればトーンダウンにも聞こえる。ただ、両記者とも投手としての能力を疑っているわけではない。

 昨季55本塁打を放った大谷は1番打者として欠かせない戦力。そして世界一が宿命づけられるチームは、10月のポストシーズンに本調子を持っていかないといけない。両記者ともサイ・ヤング賞を獲れるだけの先発試合数、イニング数を稼げないと見ている。

「ジ・アスレチック」のファビアン・アルダヤ記者(左)と「ロサンゼルス・タイムズ」の記者・ジャック・ハリス氏【写真:盆子原浩二、川村虎大】「ジ・アスレチック」のファビアン・アルダヤ記者(左)と「ロサンゼルス・タイムズ」の記者・ジャック・ハリス氏【写真:盆子原浩二、川村虎大】

 ハリス記者「完璧な状況でも年間25先発程度でしょうし、規定投球回(162回)に達するのは難しいかもしれない。ロバーツ監督やフリードマン編成本部長も、登板間隔や体への負担を考慮するはず。そして、オオタニも『10月に万全な状態でいること』を重視している。先発ローテーションを飛ばすこともあるでしょう」

 アルダヤ記者「実力の問題ではない。最大のポイントはイニング数と先発回数だ。サイ・ヤング賞の選考基準に食い込むためには、シーズンを通して十分な数の試合に登板して、規定投球回に近いイニングを投げる必要がある」

ハリス記者「限られた登板の中でも、高いレベルで投げ続ければ」

 では、どれぐらいの成績を残せばサイ・ヤング賞争いに食い込めると見ているのか。ハリス記者は具体的な数字を挙げた。

 ハリス記者「二刀流選手という特性上、ドジャースがショウヘイに30試合以上の先発登板や200イニングを投げさせることはないでしょう。難しい挑戦にはなるが、限られた登板の中でも、高いレベルで投げ続ければ、常に候補にはなる。そうですね……140イニング程度の登板で防御率2点台前半のような圧倒的な成績を残せば可能性はある。でも、投球回が限られる分、他を圧倒する投球が求められるでしょう」

 アルダヤ記者「結局のところ、どれだけ先発登板を重ね、十分な投球回数を積み上げられるかという点に尽きる。そのレベルに達することで、初めてサイ・ヤング賞争いに加わるでしょう」

 ハリス、アルダヤ両記者ともサイ・ヤング賞の最有力候補には、昨季のサイ・ヤング賞、パイレーツのポール・スキーンズ投手の名前を挙げた。ドジャース・山本由伸投手も有力候補とみているが、ドジャースは他球団より1人多い6人ローテーション。やはり先発試合数、イニング数を稼げないことが日本人初受賞への障壁となる。

 とまあサイ・ヤング賞について書いてきた記者も、大谷が投手最高の栄誉をつかむ確率は10%程度だと予想している。理由はハリス、アルダヤ両記者と全く同じだ。

 ただ、これまで数々の不可能を可能にしてきた31歳だ。ライバル球団を制圧する投球で、「10%」のサイ・ヤング賞確率をどんどん増やしていきたいところだ。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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