ドラフト候補に急浮上した151キロ右腕 スカウト高評価も…悩む“選択肢”「まだ言い切れない」

市和歌山・丹羽涼介【写真:柳瀬心祐】
市和歌山・丹羽涼介【写真:柳瀬心祐】

U-18合宿に参加している市和歌山の丹羽涼介がシート打撃で好投

 奈良県内で行われている侍ジャパンU-18(18歳以下)日本代表の候補選手強化合宿で、ドラフト戦線に急浮上した投手がいる。市和歌山の最速151キロ右腕・丹羽(にわ)涼介投手(3年)だ。

 3日から5日の3日間開催される合宿には、NPBのみならず、MLBのスカウトもネット裏に詰めかけた。昨夏の甲子園で沖縄尚学を全国制覇に導いた左腕・末吉良丞投手(3年)、横浜(神奈川)の154キロ右腕・織田翔希投手(3年)、2年生ながら先月の選抜大会で大阪桐蔭の優勝に貢献した192センチの“怪物左腕”川本晴大投手ら、プロ垂涎の好素材がめじろ押し。そんな中、ピカイチの存在感を放っているのが、“変わり種”の丹羽である。

 初日と2日目に行われたシート打撃で連投。打者ごとにボールカウントを0-0、1-1、1-2に設定しながらの投球だったが、初日は打者9人に対し、2四球を許すも無安打3奪三振。2日目も打者6人に対し無安打1四球3奪三振。同じ和歌山県勢として今夏には甲子園出場を争うことになる智弁和歌山・山田凛虎(りとら)捕手(3年)と対戦し、フォークで空振り三振に仕留めるシーンもあった。

 丹羽は「(山田には)ここであまり見せたくなかったんですが、アピールの場なので全力で行きました」と茶目っ気たっぷりに笑った。

 DeNAの木塚敦志アマスカウトは「マウンド上で躍動感がありますし、打者に対する威圧感もある。ストレートが速いだけでなく、フォークなど、いい変化球を持っているところも魅力ですね」と高く評価する。一方で「その話は私も伝え聞いていますが、どうなっているのですか?」と困惑気味に首をひねった。

 というのも、丹羽は高校卒業後の進路について、プロを目指すか、あるいは美容師を目指して専門学校に進むか、決めかねているというのだ。「地元の仲のいい先輩にそっち(美容)系を目指している人が多くて、僕も高校に入った頃から興味を持ち始めました」と説明。「(野球を選ばなければ、もったいないと)言われますし、今のところ野球の可能性の方がちょっと高いかなと思いますが、どちらとはまだ言い切れません」と偽らざる胸の内を明かした。

山本由伸に似せた投球フォームが飛躍のきっかけに

 昨秋の近畿大会では、大阪桐蔭との1回戦に先発するも、制球を乱し8回10安打7四球5失点。チームも1-7で大敗し、選抜出場への道を断たれた。そんな丹羽の成長を促したのが、ドジャース・山本由伸投手が昨年11月のワールドシリーズで見せた獅子奮迅の活躍だった。

「ヤバいなって思いました」と、山本の歴史的な投球は丹波に刺激を与えた。冬場明けから動画を参考に、山本に似せた投球フォームで投げてみたところ、球威アップに手応えがあった。そのまま磨きをかけているところだ。

 最近は、山本が行っている専用器具を使った“やり投げトレーニング”も採り入れている。「山本さんのトレーナーが履正社(大阪)にも携わっているそうで、履正社と練習試合をした時に、選手から教えてもらいました」というから、ワールドシリーズMVPに輝いた右腕と何かしら縁があるのかもしれない。

 NPBにとどまらず、本人の気持ち次第ではMLBも放っておかない素材だろう。メジャーリーグへの興味も「あるっちゃ、あるっす(あると言えば、あります)」と屈託のない笑顔を浮かべた丹羽。今後はますます、右腕の進路が注目されることになりそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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