なぜ大谷翔平は“最もHRにならない球”を打てた? 「4種のバット使い分け」と打撃コーチも驚嘆した技術「大抵の打者ならゴロ」
コーチを脱帽させた大谷翔平の3号【写真:黒澤崇】大谷は変則左腕マンティプリーの内角低めシンカーをバックスクリーンへ運んだ
異次元の豪快アーチだった。ドジャース・大谷翔平投手が6日(日本時間7日)の敵地・ブルージェイズ戦で放った3号ソロ。変則左腕マンティプリーの内角低めシンカーをバックスクリーンへ運ぶという“曲芸撃ち”だった。
昨年のワールドシリーズで歓喜に沸いたロジャースセンターで見せた、至高の技術。大谷の豪快アーチに、ベンチ内は大盛り上がりだったという。ドジャースのアーロン・ベイツ、ロバート・バンスコヨック両打撃コーチに解説してもらった。
変則左腕が投じた内角低め。見逃せばボール球、食い込んでくるシンカーを捉えた。打球は角度25度でセンター方向へ伸びていった。両打撃コーチとも手放しで称賛する打撃だった。
Make it three home runs in four days for Shohei Ohtani ???? pic.twitter.com/04DM7cSK7p
— MLB (@MLB) April 7, 2026
ベイツ打撃コーチ「あの左投手のシンカーをセンターまで運んだホームランは、素晴らしいスイングだった。大抵のバッターなら、あの球を打ってもゴロになってしまうからね」
バンスコヨック打撃コーチ「内角低めのシンカーに対して、本当に素晴らしいスイングをした。あれは実に見事だった。ボールの内側を叩き、最後までしっかり振り抜くことで、グラウンドの最も広い部分(センター方向)へ力強く打ち返していた」
大谷自身は「いいコースでしたけど、いいアプローチができた。(フェンスを)越えるかなとは思いました」と淡々と振り返っていた。だが、日頃から大谷のアーチを間近で見ているドジャース選手も衝撃を受けていたという。
ベイツ打撃コーチ「ムーキー(ベッツ)がベンチ内で話していたことだが、『普通なら単打になるところをショウヘイはホームランにしてしまう』と言っていた。まさにその通りだ。確かに、あの球種、コースはうまく打てても、センターか左中間へのライナーになる当たりだが、ショウヘイの手にかかればホームランになる。それがショウヘイを特別な存在にしている理由の一つだ」
昨季、左投手の大谷に対するシンカーの割合は23.5%。49打数15安打の打率.306と高いアベレージを残したが、角度0度と左投手の球種別では最も打球が上がらない数字となっていた。さらに左腕が内角低めに投じたシンカーを本塁打としたのは、エンゼルス時代の2021年9月10日にアストロズのフランバー・バルデス(現タイガーズ)から放った1本だけ。いわば左投手にとっては、最も本塁打になりにくい“安全球”だった。
何が本塁打とさせたのか。
バットの長さやくり抜きの有無…「相手投手に合わせて変えているようだ」
(小谷真弥 / Masaya Kotani)
