ドジャース幹部2人を直撃…佐々木朗希の配置転換、マイナー降格の考えは? 感じた球団との“関係性”

メジャー2年目を迎えた佐々木朗希、球団幹部の評価は【写真:黒澤崇】メジャー2年目を迎えた佐々木朗希、球団幹部の評価は【写真:黒澤崇】

オープン戦で大乱調→開幕ローテ入りも今季2登板で防御率7.00

 ドジャースは佐々木朗希をエースに育てられるのか――。12日(日本時間13日)の本拠地・レンジャーズ戦で先発する24歳は今季ここまで2試合に登板し、0勝1敗、防御率7.00。計9回を投げて9奪三振、5四球、WHIP1.56とまだまだアピール不足は否めない。球団首脳陣はどう見ているのか。アンドリュー・フリードマン編成本部長とブランドン・ゴームズGMを直撃した。

 前回5日(同6日)の敵地・ナショナルズ戦では日米通じて自己ワースト6失点を喫した。それでも、ロバーツ監督は5回を投げたことを評価。2被弾を含む5安打を許したものの、90球を投げてストライク57球。5奪三振、3四球だった。

 シーズン開幕前、最後の調整だった3月23日(同24日)の本拠地・エンゼルス戦では初回1死も取れずに降板。2回で8四死球を与える大乱調からは改善しているように見える。フリードマン編成本部長は「ロウキは成長、進化を続けている」と目を細め、こう続けた。

「昨年から投球フォームが少し乱れており、それがボールの質にも影響していた。だが、今は非常に良い状態にあると感じている。オープン戦では制球に苦労していたが、それも今は改善された。あとは全てを噛み合わせるだけだ」

 10日(同11日)にはブルペン投球。真後ろから視察したゴームズGMは「非常に良い進歩が見られた」と目を細めた。評価の理由は、シーズン前に先発ローテーション定着の鍵と言われていた、フォーシーム、スプリットに続く“第3の球種”だ。

「球速は素晴らしい状態にあるし、スライダーも非常に良いキレを見せている。登板を重ねるごとに一貫性が増しているし、ストライクゾーンを攻める自信を深めていると感じる」

現地5日のナショナルズ戦では5回6失点【写真:黒澤崇】現地5日のナショナルズ戦では5回6失点【写真:黒澤崇】

昨年のポストシーズンで活躍…再度リリーフとして起用する考えは?

 佐々木朗希と言えば、ブルペンの救世主となった昨年ポストシーズンが記憶に新しい。チーム編成を担う両氏に、ブルペンへ回す配置転換の考えはあるのだろうか。

 フリードマン編成部長「いいえ。我々はロウキを先発投手として見ている。メジャーリーグでトップクラスの先発投手になれる能力を持っている。球団の役割は、その潜在能力を最大限に発揮できるように育成を手助けすることだ」

 ゴームズGM「いいえ。現在、ロウキには先発投手として集中してもらっている。彼は我々の最高の先発陣の1人だし、このまま成長を続けてくれるだろう。先発ローテーションにいることを楽しみにしている」

 フリードマン、ゴームズ両氏ともに、昨季終盤のようにリリーフに回すことについては否定的だった。

 だが、ドジャースには実績のある先発投手がたくさんいる。その一人が2度のサイ・ヤング賞を誇るブレイク・スネルだ。5月末のメジャー復帰を目指し、11日(同12日)に実戦形式の投球練習「ライブBP」に登板。着々と準備を進めている。

 現在は山本由伸、大谷翔平、タイラー・グラスノー、エメ・シーハン、ジャスティン・ロブレスキーと6人で先発を回している。エース左腕のスネルが復帰となれば、誰かを先発ローテーションから外すことになる。佐々木を先発ローテから外し、マイナーで再調整させる考えは? これにも両氏は否定的だった。

 フリードマン編成本部長「現時点ではない。ロウキはメジャーでチームの勝利に貢献できると感じている。もちろん、もし上手くいかなければその時に話し合いを持つが、彼が今も将来もチームの勝利を助けてくれると信じている」

 ゴームズGM「今は全く考えていない。ロウキは我々のローテーションの一角だ。10日は良いブルペン投球だったし、彼本来の能力を発揮できるよう、このまま進歩を続けてもらうだけだ」

2025年1月の入団会見で言葉を交わすアンドリュー・フリードマン編成部本部長(左から2人目)と佐々木朗希【写真:ロイター】2025年1月の入団会見で言葉を交わすアンドリュー・フリードマン編成部本部長(左から2人目)と佐々木朗希【写真:ロイター】

メジャー全球団が狙った逸材を育てる責任「彼がやってのけると確信している」

 フリードマン、ゴームズ両氏とも「現時点では」「今は」と前置きはしたものの、リリーフへの配置転換もマイナーでの再調整も否定的だった。

 メジャー挑戦時に全球団が獲得調査に乗り出したとされる日本球界最高の素材だ。「育成に失敗できないプレッシャーはあるか?」。最後にこう問いかけると、両氏ともにニヤリと笑った。

 フリードマン編成本部長「ロウキは他の選手よりも若い年齢でこちらに来た。最高の投手になるための成長の過程にあり、才能は疑いようがない。今は、潜在能力を完全に開花させるための『最後の仕上げ』の段階だ。彼にはそれをやり遂げる力があると確信している」

 ゴームズGM「ロウキの育成において大切なのは、5〜6日ごとに登板し、持てる力を最大限に発揮して戦わせることだ。彼は素晴らしい才能と球種を持っており、日本でも信じられないような成功を収めてきた。我々は彼がやってのけると確信しているし、メジャーの素晴らしい先発投手になるための非常に良い道を進んでいる」

 選手の成長、進化には痛みが伴うもの。ドジャース首脳陣と佐々木朗希には、強固な信頼関係が築かれている。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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