球審の事故防止へ「不安になってはいけない」 東京六大学でヘルメット導入…連盟がスピード対応

慶大-明大1回戦で球審を務めた溝内健介氏【写真:加治屋友輝】
慶大-明大1回戦で球審を務めた溝内健介氏【写真:加治屋友輝】

慶大-明大1回戦、溝内健介球審がヘルメットを初めて着用

 大学野球でも審判のアクシデント対策を行っている。東京六大学野球春季リーグ戦は25日、神宮球場で第3週第1日が行われ、第1試合の慶大-明大1回戦で球審を務めた溝内健介氏がヘルメットを着用して登場。プロ野球でバットが頭部に直撃して球審が負傷したことから、東京六大学野球連盟がヘルメットを用意した。

 同連盟の内藤雅之事務局長は「プロ野球で残念な事故があった」と16日のプロ野球、ヤクルト-DeNA戦(神宮)で、打者が空振りした際にバットが手を離れて球審の頭部に直撃し、救急搬送される事故があったことに言及。「アマチュア野球の審判はまだヘルメットの義務化はしていないんですけど、六大学連盟としては球審をやっている方たちが不安になったり今後に影響してはいけない」と導入の経緯を説明した。

 今春のリーグ戦から指名打者制導入など新たな試みに取り組む中、またも素早い対応だ。捕手用のヘルメットをサイズ別に複数購入し、早大-東大3回戦の1試合が行われた第2週最終日の20日から用意。同日は準備したばかりで使用されず、この日が初めての着用となった。

 同連盟は着用を推奨しているわけではなく、内藤事務局長が「使ってくださいというのではなく、使用の判断は個人に委ねます」という中で、溝内球審が同リーグ戦で着用第1号に。「いち早く連盟の方で準備してくれましたし、やってみないことには良いも悪いも分かりませんので、率先してチャレンジしてみようということで使いました」と語った。

 球審はストライク、ボールの判定だけでなく、全てのプレーを追いかけ、試合中は休みなく動き回る。19年間の審判員生活でもヘルメット着用は1度もなかったという溝内球審は「最初はやや慣れないなという感じがありましたけど、やっていくうちに違和感なくできたと思います」と振り返った。

木製バットの危険性…「安心感という意味で」継続着用へ

 過去に危険なシーンに遭遇した経験があるかを問われた溝内球審は「捕手が危ないなと思った経験はありますけど、審判のところまでバットがくることはアマチュアだとあまりない。見たことはないですね」と回答。ただ、大学野球はプロ野球と同じく木製バットを使用しているため、折れたバットが飛んでくる危険性は否定できない。

「ファウルボールが飛んでくることはしょっちゅうあります。打者のフォロースルーというより、折れたバットの方が可能性としてはあると思います」

 東大野球部OBで弁護士でもある溝内球審は、着用することでの動きにくさや視界への影響については「全くない」と即答。今後については「レアなケースかもしれませんけど、万が一の出来事が起こり得る。明日は我が身です。安心感という意味で使ってみようと思っています」と着用を継続することを明言した。

 グラウンドでも法廷でも確実なジャッジを心がける溝内球審。26日に誕生日を迎える中、50歳最後の日にヘルメット着用にも明確なジャッジを下していた。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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